研究課題
1)正規化二重シャッフル関係式は多重ゼータ値のすべての有理数体上の関係式を導くと予想されているが、実際に大野-ザギエの関係式が正規化二重シャッフルからみちびかれることを証明した。このことは大野-ザギエの関係式の超幾何関数などを用いない、代数的な証明を与えている。(2)トーンハイムの二重ゼータ関数の交代類似に関する二つの関数関係式を証明した。このことにより、津村による特殊値公式の新しい証明が導かれる。また交代オイラー和で調和和を表わす明示公式をしめした。その結果いくつかの特殊値の明示公式を得た。(3)混合楕円モチーフに対応するホップ代数の関係式にどのようなものが存在するかという問題に関しては基本的な関係式が尖点形式の間の高次のチャウ群の交叉形式が関係しており、非自明な交叉数を持つ元が多く作られれば、それに対応して多くの非自明な関係式の存在が結論される。この交叉形式をより詳しく考察するために、ホッジ実現と関係しているドリーニュ・コホモロジーへの写像を考えその非消滅性などを考察した。そのために単数基準写像とL関数の特殊値との関係を表わすベイリンソン予想を証明した。
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Proceedings of the international Colloquium on Cycles, Motives and Shimura varieties
ページ: 493-530
Internat.J.Math.
巻: 21 ページ: 939-949
http://gauss.ms.u-tokyo.ac.jp