電子求引性基の配位子を有する協奏機能アミド錯体と水との反応を鍵とする分子内C-F結合活性化および環状錯体形成反応の機構を明らかにするために、アミド錯体の合成単離を行った。得られたアミド錯体と水の反応によりヒドロキシ錯体が得られた。この錯体は低温ではアミド錯体との解離平衡にあるが、室温以上で、ゆっくり脱フッ素をともない、オキシメタラサイクル錯体へと変換することが分かった。中間体のヒドロキシ錯体の反応性に依存することが分かった。さらにDFT計算手法を活用して反応の推進力についても継続して検討している。 さらに、電子求引性の強いアミド錯体は、マイケル付加反応の加速効果を引き起こすことも分かった。金属中心のルイス酸性の向上が反応加速につながったものと考えている。 現在、論文として報告準備中である。
|