研究課題/領域番号 |
10F00350
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
榎 敏明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授
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研究分担者 |
ラジーブ・クマール バッタカツ・ラマクリシュナン 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | 電子・電気材料 / 磁性 / ナノ材料 / 表面・界面物性 / 走査プローブ顕微鏡 |
研究概要 |
酸化グラフェンを3種類の出発物質を用いて作成した;高配向熱処理グラファイト(HOPG)、粉末グファイト、活性炭素繊維。グラフェンの酸化はグラフェンを硫酸+過マンガン酸カリウムの溶液を用いて行った。ナノグラフェンの乱雑ネットワーク構造を有する活性炭素繊維では、酸化剤を増加させると、完全に溶け、固体物質として、酸化グラフェンを取り出すことが出来なかった。酸化剤の量を系統的に減少させ、最適な参加条件を見出した。この結果得られた試料をESRを用いて調べたところ、酸化剤の還元により生じたMn^<2+>のスピンが観測され、多量に磁性不純物としてMn^<2+>イオンが残留していることが明らかとなった。そのため、水での洗浄を繰り返し、Mn^<2+>イオンの観測にかからない程度の試料を得ることが出来た。予言からは、酸化サイト近傍では、グラフェンのエッジ状態に帰属される局在スピンの存在とスピン間の強い強磁性相互作用が期待される。現在、室温から液体ヘリウム温度まで、磁場7Tまでの条件で、磁化率・磁化測定を行っており、その温度、磁場依存性から、スピンの起源とスピン間相互作用の解明を行っている。また、酸化ナノグラフェンをヒドラジンで還元し、ナノグラフェンを作成すること、及び、還元されたナノグラフェンを1000-1200℃で真空加熱して官能基を除去し、端の化学環境を変化させ、そのときのエッジ状態のスピンの挙動の変化を調べる準備を行っている。
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