研究概要 |
本研究の上位目的は会話を通して人間ユーザの意志をより上手に読み取り場面に合った反応をし,自然言語処理,人工知能,そして人間機械相互作用の分野に踏み込む研究である.そのためコンピュータに感情的知性を持たせなければならない.その中,感情状態の認知,推察,感情の適切性および原因の理解他さまざまな機能が必要であるといわれている.これまでの感情処理における研究では感情認知の技術のみに重きが置かれてきた現状である.これからは感情的知性の全範囲をコンピュータに導入するため研究を進めることを目標としている.研究期間内の具体的な目的としては,言語処理の研究方法を用いてユーザの言語行動(会話ストラテジー)を観察することによって感情状態をより深く理解し,その原因を予測できるエージェントの開発を計画している.そのためには,インターネットから大量コーパスおよび自然会話コーパスを取得し統計的に処理させ,どの会話ストラテジーがどの感情を起こすか,その原因および適している場面を確認し,言語モデルを構築したい.22年度は,本研究の出発点であり,主な作業にはデータ収集や前処理などがあった.具体的には,インターネットからブログ・コーパスを自動収集し,形態素解析を行い,肌データベースとして保存した.さらに,すでに作ってあった感情解析システムML-Ask及び顔文字解析システムCAOによって感情タグを付けた.さらに,自然会話コーパスとしてBTSJコーパスを取得した.またオンラインで公開されている名大会話コーパスも利用するつもりである.会話コーパスの取得と前処理を上記のように行った.
|