研究課題/領域番号 |
10F00362
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
長谷川 勉 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授
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研究分担者 |
MARTINEZMOZOS Oscar 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 外国人特別研究員
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キーワード | 生活支援ロボット / 日用小物品 / 屋内環境情報構造化 |
研究概要 |
家庭内での日用品の取り寄せや片づけは、高齢者や身体障害者のための基本的な生活支援作業であり、これをロボットが実行できるようになれば社会的経済的効果は極めて大きい。そのためには、作業対象となる日常生活小物物品について、それがどのようなものか? 環境内のどこにあるのか? といった情報が必要となる。しかし、広い生活空間に分布するすべての日用小物を直接計測できるようにセンサを配置することは現実的には難しい。そこで、センサ付き収納庫など局所的な検出機能を有する機器を用い、居住者の生活行動の長期観測と日用品の移動分析を行い、センサ情報を統合して日用品の位置を推論追跡する手法を研究し、下記の成果を得た。 1)フロアセンサにより、人の歩行を追跡し、椅子やベッドなど家具配置情報と照合して生活行動を推定する手法を開発した。 2)人間が移動させた日用品について、人間行動を追跡した経路に沿って存在確率分布を計算する手法を開発した。 3)日用品存在確率分布にもとづいて物品探索を行う移動ロボットを設計し、搭載した視覚センサから得られる奥行距離情報を用いた物品領域切り出し手法を開発した。これにより、日用品のみの画像を切り出すことができるので、物品画像データベースの画像とのマッチングが容易になると期待できる。 4)KINECTセンサを用い、奥行距離情報と画像情報とに基づいた屋内空間の識別手法を開発した。これは、ロボットが、キッチン、居室、廊下などのうちどの場所にいるのかを識別するもので、物体同定のためのコンテキストとしても重要な情報となるものである。局所二値パターンと空間ピラミッドマッチングを用いる手法を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日用品の入出を検知する収納庫と、居住者の全身を撮像せず床面直上で足跡を追跡しうるフロアセンサからの情報を統合し、生活行動の計測を行い,日用品の位置を推論追跡するという目的に対し、本年の成果で中核となる要素機能が実装できている。
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今後の研究の推進方策 |
基本的な枠組みができたので、全体システムの性能評価と問題点の抽出を行い、精度の向上を図る。
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