研究課題/領域番号 |
10F00367
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
解良 聡 千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 准教授
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研究分担者 |
HUANG Yuli 千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | 有機薄膜 / 超格子 / 電子構造 / 分子配向 / 走査トンネル顕微鏡 / 光電子分光 / 表面界面 |
研究概要 |
固体表面における有機分子二成分系の織りなす低次元超格子構造の二次元ネットワーク構造ならびにその電子状態を高分解能光電子分光法により直接評価し、新奇な量子構造体であるナノスケール分子界面の電子機能性を議論する。n型半導体として知られるフッ素化フタロシアニンとp型半導体として知られるペンタセンについて分子混合比の異なる単分子層膜をグラファイト基板上に作製し、その超格子構造を走査トンネル顕微鏡により規定した。分子混合比に依存した異なる格子定数の自己組織化膜が構築されていることが分かった。さらに高分解能紫外光電子分光測定により、価電子帯構造が分子混合比に依存して大きく変化しており、弱い相互作用では説明がつかないほど、状態密度に劇的な変化が生じることを見出した。分子間の電荷再分配が要因として考えられるが、理論計算による評価を併せて検討する必要がある。今後、固体表面における自己組織化のメカニズムを電子論的な観点から議論する手掛かりとなる結果を得たとともに、弱い相互作用により発現する有機半導体の光・電子機能性の源を理解することが期待される。
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