研究課題/領域番号 |
10F00419
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研究機関 | 国立大学法人帯広畜産大学 |
研究代表者 |
鈴木 宏志 国立大学法人帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授
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研究分担者 |
ABOGE G.O. 国立大学法人帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 外国人特別研究員
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キーワード | Babesia bovis / ヘモグロビン / BbLAP / Bestatin |
研究概要 |
本研究は、バベシア原虫の赤血球内寄生機構の一環としてヘモグロビン分解経路の解明に焦点を当て、それに基づいた新規治療法の開発を目指して企画した。本年度に実施した研究内容と得られた研究成果は以下の通りである。 ウシバベシアゲノムデータベースよりヘモグロビン分解に関わると推定されるロイシンアミノペプチダーゼ(BbLAP)遺伝子を同定した後、cDNAライブラリーから完全長遺伝子をクローニングした。BbLAP遺伝子を大腸菌発現系にて発現したところ、機能解析に適した可溶性組換えタンパク質として発現できた。得られた組換えBbLAPをマウスに免疫し、抗BbLAP特異抗体を作製した。得られた特異抗体を用いてイムノブロットを行ったところ予想通りの分子量をもつ57kDaのB.bovis虫体由来の天然BbLAPが同定できた。また、抗BbLAP特異抗体を用いて蛍光抗体法を行ったところ、BbLAPはB.bovisの赤血球寄生の全ステージにその発現が認められた。次に、精製した組換えBbLAPの酵素活性を調べたところ、典型的なロイシンアミノペプチダーゼ活性が認められた。この酵素活性はロイシンアミノペプチダーゼのインヒビターであるBestatinにより特異的に抑制された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初掲げた研究目標をおおむね達成したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ロイシンアミノペプチダーゼのインヒビターであるBestatinの原虫増殖抑制活性をin vitroおよびin vivoにて調べ、バベシア原虫感染症に対する治療薬としての可能性を検討する。
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