研究課題
昨年度はもやもや病感受性遺伝子としてmysterin遺伝子(RNF213遺伝子)を同定した、またp.R4810Kが日中韓の患者が共有する創始者感受性多型であることを示した(PLoS ONE 2011)。本年度は、発症リスクの高い遺伝子キャリアー(p.R4810Kを有しているが発症していない者)の遺伝疫学に主に従事し、東アジアの一般人口を対象にした検討では、日本、韓国では遺伝子キャリアーが人口の約3%、中国では0.4%存在することを見出した(Neurol Med Chir 2012)。また日本の一般人口集団でのp.R4810K多型と血圧の相関を検討した結果、p.R4810Kは、量的形質として収縮期血圧と正の相関を示し、p.R4810Kのキャリアーにおける内皮細胞障害の可能性を示唆した(Environ Health Prev Med 2013)。さらに近年のもやもや病と糖尿病の合併性を示す報告に着目し、mysterinの機能を明らかにするためにmysterinノックアウトマウスと小胞体ストレスによる糖尿病モデルマウスであるAkitaマウスと交配し、mysterin欠損がAkitaマウスの糖尿病に与える影響を検討した。その結果、mysterin欠損はAkitaマウスの血清および膵島インスリン量を増加させることで、摂食量の低下、小胞体ストレスの低下を通じて糖尿病を改善することが示され(Biochem Biophys Res Commun 2013)、mysterinが小胞体関連分解する可能性を示した。
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