研究課題/領域番号 |
10F00506
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
花岡 悟一郎 独立行政法人産業技術総合研究所, 情報セキュリティ研究センター, 主任研究員
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研究分担者 |
SCHULDT Jacob 独立行政法人産業技術総合研究所, 情報セキュリティ研究センター, 日本学術振興会外国人特別研究員
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キーワード | 電子署名 / プライバシ保護 / 選択文書攻撃 / 偽造不可性 / オンライン攻撃 / 検証者指定署名 / 否認不可署名 |
研究概要 |
本年度においては、研究計画書記載の内容に従い、制限された検証可能性をもつある種の付加機能付き電子署名方式についての研究を行った。より詳細には、本研究においては新たな電子署名方式の提案を行い、また、これらの電子署名方式を用いることにより、ある指定された第三者機関、署名者、もしくは、元来の受信者のいずれかが、電子署名の検証者を指定することが可能となることを示した。本研究において提案された手法は、利用者のプライバシを保護する必要のある多数の情報システムにおいて、極めて有用な構成要素となることが期待される。 これらの成果は、英文査読誌、国際会議、国内研究会などにおいて発表がなされており、特に、オンライン転送不可署名方式についての研究成果は、暗号理論において権威ある国際会議のひとつであるPKC2012に採録され、また、同成果により、暗号理論における英国の著名な研究機関であるロンドン大学Royal Holloway校において招待講演を行っている。 本研究により提案がなされたオンライン転送不可署名方式は、従来技術と異なり、オンライン攻撃と呼ばれる極めて強力な攻撃モデルにおいても安全性が保証可能であり、なおかつ、上記のような検証者の指定も柔軟に行うことができる。その他、否認不可署名の安全性をさらに強化した新たな電子署名技術であるnominative署名について研究を行い、証明可能安全性をもつ初めての方式の設計を行った。この成果は、次年度においてさらに改良を行っていくことを検討している。
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