研究課題/領域番号 |
10F00516
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
谷内 一郎 独立行政法人理化学研究所, 免疫転写制御研究チーム, グループディレクター
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研究分担者 |
SEO Wooseok 独立行政法人理化学研究所, 免疫転写制御研究グループ, 外国人特別研究員
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キーワード | Tリンパ球 / Runx転写因子 / 遺伝子発現制御 / 細胞分化 / サイレンサー / 転写抑制共役因子 / アレルギー疾患 |
研究概要 |
Runxタンパクは標的遺伝子の発現を正にも負にも制御する活性を持つ転写因子であり、多細胞生物の発生・分化過程に重要な機能を持つことが知られている。RunxタンパクのC末端に存在するVWRPY配列は生物種を超えて良く保存されおり、Groucho/TLE転写抑制共役因子ファミリーとの会合に必須であることから、Runxタンパクによる遺伝子発現抑制に重要な役割を果たすと考えられている。本研究課題ではVWRPY配列を介した制御機構の生体内での生理的意義の解明を目的に、VWRPY配列を欠損した変異Runx1タンパク、Runx3タンパクのみを産生するRunx1^<ΔV/ΔV>;Runx3^<ΔV/ΔV>マウスを作製し表現型解析を行った。特にT細胞分化過程でRunxタンパクのサイレンサーへの結合がサイレンサー活性に必須であることが知られているCd4、Thpok、I14遺伝子を研究対象にその発現を解析した。その結果、Cd4、Thpok遺伝子の発現抑制はVWRPY配列への依存性が異なることを見出し、国際雑誌Immunology and Cell Biologyに論文発表した。同時に、VWRPY配列はI14遺伝子発現抑制にも重要であり、Runx1^<ΔV/ΔV>;Runx3^<ΔV/ΔV>マウスでは喘息様のアレルギー疾患が自然発症することを見出した。更に新規のRunx標的遺伝子としてケモカイン遺伝子群を同定し、クロマチン免疫沈降法により、ケモカイン遺伝子クラスター内にサイレンサー活性を持つ新規Runx結合領域を同定した。
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