本研究ではナノ粒子を検出する新しい分析手法の開発を目的に、ナノ構造作製とレーザーヘテロダイン分光法について研究した。本年度は、ナノ粒子を検出する場として液面を用いることを検討する中で、閉じ込めサイズに共鳴する液面の毛管張力波を発見し、それを界面張力測定に用いる手法に適用することに成功した。 液面の界面張力波の測定には、二本のレーザービームを用いる二光束準弾性レーザー散乱法が用いられてきた。この手法では、液面に垂直に入射したレーザー光の界面張力波による散乱光中のドップラーシフト成分を、角度を定めて入射したローカル光との光ビートを利用して測定してきた。本研究では、マイクロチャネル中の液面を測定するとき、集光条件の単一光束準弾性レーザー散乱法を用いた。この光学配置では、様々な角度の散乱光の重畳が起こるため、角度分解能すなわち界面張力測定分解能は低下するが、様々な波数の界面張力波を同時に測定することになる。マイクロチャネル幅方向に散乱した光のドップラーシフトスペクトルを調べたところ、チャネル幅が半波長の整数倍の界面張力波に対応する位置にピークが現れた。このピークはチャネル流路方向には現れない。チャネル幅や溶媒を変えて検討し、このピークが確かに共鳴波であることを明らかにした。 様々な波数(波長)の波が熱ゆらぎにより発生する界面張力波のうち、空間サイズに共鳴する波が選択的に残り、非共鳴条件の波は素早く減衰するためにこのような共鳴が起こったと考えられる。このような界面張力波共鳴波は初めて観測されたものであり、新しい分析法への応用が期待できる。液面を観測場としてナノ粒子計測法に繋がる重要な結果が得られた。
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