研究概要 |
1, TbRhIn_5の大型単結晶育成及び弾性定数測定 TbRhIn_5の大型単結晶の育成に成功し、これを用いて弾性定数測定を行った。その結果、TbCoGa_5やDyRhIn_5では弾性定数C_<44>にソフト化が観測されたのに対して、TbRhIn_5では1.8KまででC_<44>のソフト化が観測されなかった。 2, TbRhIn_5、DyRhIn_5の極低温磁化測定 TbRhIn_5、DyRhIn_5について、東京大学物性研究所榊原研究室との共同実験で極低温領域の磁化測定を行った。これにより、TbCoGa_5、TbRhIn_5、DyRhIn_5ではそれぞれ基底状態で異なる磁性を示すことが明らかとなった。 3, NdB_4の弾性定数測定 本研究室の学部4年生と協力し、NdB_4の弾性定数測定を行った。NdB_4では他の部分成分磁気秩序系と中間相での磁気秩序方向が異なるため、弾性定数C_<44>のソフト化が観測されないことが期待されたが、実際にはC_<44>が大きくソフト化するという結果を得た。この結果はこれまでの部分成分磁気秩序に対する解釈に大きな影響を与えうるものであると認識している。 23年度は主に以上の点について研究の進展があった。本研究の目的である希土類化合物の部分成分磁気秩序の解明へ向けて非常に重要な情報を得ることができたと言える。
|