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2011 年度 実績報告書

分化誘導したSH-SY5Y細胞におけるメタンフェタミンの細胞毒性

研究課題

研究課題/領域番号 10J00130
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

奈良 明奈  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD) (50722576)

キーワードメタンフェタミン / マクロピノサイトーシス / 細胞死 / リソソーム / SH-SY5Y細胞
研究概要

本年度では、「METH 曝露によるマクロピノサイトーシスの過形成が、神経毒性作用にどう関わっているか」、「METH 曝露によるマクロピノソーム過形成がもたらすリソソーム機能変化」について検討を行い、『METHによる新たな細胞死経路機序の確立』を目指すこととした。
第一に、GFP-Ras及びGFP-Rac1を用いた蛍光観察では、METH曝露2時間後の細胞内空胞と局在が一致した。また、RasインヒビターのFTS及びRac1インヒビターのEHT1864を前投与したところ、METH曝露による細胞内空胞形成が有意に消失した。以上より、METHによる細胞内空胞がマクロピノサイトーシス経路に沿って進行していることが確認された。
第二に、リソソームの活性化について検討した結果、lamp1,2の発現はMETH曝露の時間依存的に上昇し、カテプシンLのプロセシングは有意に減少した。また、オートファジー関連分子変動では、LC3-IIの発現は有意に上昇する一方、p62の発現減少が認められなかったことから、METH曝露後では、オートファゴソームの形成までは進行しているが、オートファゴソームの分解が阻害されている可能性が確認された。以上より、METH曝露後のマクロピノソーム過形成により、マクロピノソームからリソソームへの移行に伴うリソソームの肥大化により、リソソームの正常機能が低下し、本来のオートファジーの流れを正常に維持できなくなることで、細胞内にMETHを含んだ未消化物質が増大し、最終的に細胞死を引き起こしている可能性が考えられた。
以上の結果を総括すると、高濃度METHの曝露により、細胞内でマクロピノサイトーシスが過剰に形成され、このマクロピノソームがリソソームと融合することで、リソソーム内での正常な機能が保てなくなり、最終的に細胞死に至ると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Signaling pathway of macropinocytosis by mlethamphetamine in human neuroblastoma cells2011

    • 著者名/発表者名
      Akina Nara, Toshihiko Aki, Takeshi Funakoshi, Kana Unuma, Koichi Uemura
    • 学会等名
      8^<th> International Symposium ADVANCES IN LEGAL MEDICINE
    • 発表場所
      ドイツ・フランクフルト
    • 年月日
      2011-09-29
  • [学会発表] Methamphetamine-caused cytotoxic effects involves macropinocytosis in differentiated SH-SY5Y cells2011

    • 著者名/発表者名
      Akina Nara, Toshihiko Aki, Takeshi Funakoshi, Kana Unuma, Koichi Uemura
    • 学会等名
      第94次日本法医学会学術全国集会
    • 発表場所
      コラッセ福島
    • 年月日
      2011-06-17

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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