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2010 年度 実績報告書

火山内部密度の時空間分布の解明による高精度な火山噴火予知の実現

研究課題

研究課題/領域番号 10J00225
研究機関京都大学

研究代表者

風間 卓仁  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)

キーワード重力観測 / 桜島 / 火山 / 地下水 / 絶対重力計 / 噴火 / 傾斜計 / 伸縮計
研究概要

本研究の最大の目的は、重力連続観測によって火山内部のマグマ移動を明らかにし、現在および将来の火山活動を監視・予測することである。具体的に我々は、現在でも活発な噴火を継続している桜島を研究対象に選択し、桜島ハルタ山観測所(桜島の北西側、標高408メートル)に絶対重力計FG5を設置した。というのも、桜島有村観測坑道(桜島の南側、標高80メートル)では東京大学地震研究所が同様の連続観測を2008年から継続しているため、他の地点および標高における重力変化を理解すべきと考えたからである。2010年5月~2011年3月にかけて重力変化を連続的に観測したところ、ハルタ山では2010年7月から8月にかけて80マイクロガル程度重力値が上昇し、その後ほぼ一定レートで重力値が減少し、2011年3月にはほぼ観測開始時の重力値まで戻っているのが確認された。本研究では、この一連の重力変化が降水や地下水の質量に移動によるものと考え、風間他によって開発された地下水流動解析プログラム「G-water 3D」を桜島地域に適用し、地下水流動に伴う重力変化を補正した。その結果、補正後の重力変化にはプラスマイナス15マイクロガルの重力変化が残っており、2010年6月に上昇、2010年7~8月に減少していることが分かった。この重力変化は、有村観測坑道に設置されている傾斜計の変動(2010年6月に山体収縮、2010年7月に山体膨張)とも調和的であることから、桜島内部のマグマ移動を反映しているものと考えられる。今後は、他機関によって観測されている重力・傾斜・伸縮データも参考にしながら、2010年5月~2011年3月のマグマ移動プロセスをより詳しく考察する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 重力観測データに含まれる地下水擾乱の水文学的モデリング2010

    • 著者名/発表者名
      風間卓仁・大久保修平
    • 雑誌名

      月刊地球

      巻: 32(4) ページ: 2-5

  • [学会発表] 地下水流動計算プログラムGwater(β版)について2010

    • 著者名/発表者名
      風間卓仁, ほか
    • 学会等名
      日本測地学会第114回講演会
    • 発表場所
      京都府宇治市
    • 年月日
      2010-11-10
  • [学会発表] 桜島ハルタ山における絶対および相対重力の同時連続観測2010

    • 著者名/発表者名
      風間卓仁, ほか
    • 学会等名
      日本測地学会第114回講演会
    • 発表場所
      京都府宇治市
    • 年月日
      2010-11-08
  • [学会発表] Hydrological Modeling of Groundwater Disturbances to Observed Gravity Data Toward High-accuracy Monitoring of Magma Transfer in Volcanoes2010

    • 著者名/発表者名
      T.Kazama, et al.
    • 学会等名
      AGU Western Pacific Geophysics Meeting
    • 発表場所
      台湾・台北
    • 年月日
      2010-06-24
  • [学会発表] 地下水流動に伴う重力変化の水文学的モデリング:胆沢扇状地への適用例2010

    • 著者名/発表者名
      風間卓仁, ほか
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2010年大会
    • 発表場所
      千葉県千葉市
    • 年月日
      2010-05-27
  • [学会発表] 重力連続観測で明らかになった火山内部のマグマ移動プロセス2010

    • 著者名/発表者名
      風間卓仁, ほか
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2010年大会
    • 発表場所
      千葉県千葉市
    • 年月日
      2010-05-24

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公開日: 2012-07-19  

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