• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

火山内部密度の時空間分布の解明による高精度な火山噴火予知の実現

研究課題

研究課題/領域番号 10J00225
研究機関京都大学

研究代表者

風間 卓仁  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)

キーワード重力観測 / 火山 / 地下水 / 土壌水 / 桜島 / 八重山諸島 / アラスカ / 南極
研究概要

本研究の最大の目的は、火山での重力観測を通して、火山内部におけるマグマ質量の移動プロセスを把握することである。また、マグマ移動起源の重力変化を検出するため、陸水起源の重力擾乱を適切に補正することも、本研究の大きな目的の1つである。
本研究の最終年度に当たる平成24年度には、約2カ月に1度の頻度で桜島を訪問し、設置済みの相対重力計・気象観測装置・水分計のデータ回収およびメンテナンス作業を行った。この3年間、桜島では絶対重力計や相対重力計の連続データを大量に取得することができた。しかしながら、陸水擾乱によるノイズが大きかったために、現時点では火山起源の重力変化を十分には検出できていない。そこで本研究では、新たに八重山諸島とアラスカにて重力等の観測を実施し、陸水擾乱に関連して以下のような結果を得た。
まず、八重山諸島では石垣島や西表島などで土壌採取を実施し、採取した土壌に対して透水試験を適用した。その結果、透水係数は空間的に均質ではなく、約4桁の範囲で変化していることが分かった。今回得られた土壌空間不均質を陸水シミュレーションに適用すれば、陸水擾乱を高精度に再現できるものと期待される。
また、アラスカでは絶対重力計FG5による重力測定を実施した。その結果、絶対重力値は予想していた値よりも約10マイクロガル程度大きい'ことが分かった。これは2011~2012年冬季の異常降雪の影響と考えられ、今後積雪分布のデータなどを利用して重力変化を再現する予定である。
今後は、陸水分布シミュレーションのプログラムを改編し、陸水擾乱の再現精度向上を目指す。そして、八重山諸島・アラスカ・南極地域(前年度に重力観測を実施)で取得した重力データに陸水擾乱補正を適用し、陸水分布シミュレーションの再現精度を評価する。その上で、桜島の重力観測データに対して高精度な陸水擾乱補正を適用し、火山起源の重力変化の抽出を目指す。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 振り子を用いた重力加速度測定~日本と南極で振れ方の違いを観察する~2013

    • 著者名/発表者名
      風間卓仁
    • 雑誌名

      サイエンスネット

      巻: 46 ページ: 1-5

  • [雑誌論文] Gravity changes associated with variations in local land water distributions : observations and hydrological modeling at Isawa Fan, northern Japan2012

    • 著者名/発表者名
      T. Kazama, et al.
    • 雑誌名

      Earth, Planets and Space

      巻: 604 ページ: 309-331

    • DOI

      10.5047/eps.2011.11.003

    • 査読あり
  • [学会発表] 可搬型絶対重力計A10を用いた南極野外における絶対重力観測2012

    • 著者名/発表者名
      風間卓仁, ほか
    • 学会等名
      第32回極城地学シンポジウム
    • 発表場所
      国立極地研究所(東京都)
    • 年月日
      2012-11-29
  • [学会発表] 絶対重力計FG5および超伝導重力計iGravを用いた冫ラスカ南東部における重力観測2012

    • 著者名/発表者名
      風間卓仁, ほか
    • 学会等名
      日本測地学会第118回講演会
    • 発表場所
      仙台市福祉プラザ(宮城県)
    • 年月日
      2012-10-31
  • [学会発表] 南極昭和基地における絶対重力計(A10およびFG5) 10MHz原子時計の周波数校正2012

    • 著者名/発表者名
      風間卓仁, ほか
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2012年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉県)
    • 年月日
      2012-05-21
  • [学会発表] 振り子と打点式タイマーを用いた南極における重力加速度測定2012

    • 著者名/発表者名
      風間卓仁, ほか
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2012年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉県)
    • 年月日
      2012-05-20

URL: 

公開日: 2014-07-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi