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2012 年度 実績報告書

大強度ビームを用いたニュートリノ振動実験「T2K」での電子ニュートリノ探索

研究課題

研究課題/領域番号 10J00423
研究機関京都大学

研究代表者

村上 明  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード素粒子物理 / ニュートリノ / 実験
研究概要

本研究は、T2K(Tokai-to-Kamioka)長期ニュートリノ振動実験実験において、ニュートリノ振動現象の解明行うものである。その目的は、ニュートリノ振動現象の解明を通じて、物理学最大の謎である宇宙の物質優勢の解明を行うことである。当初の研究目標は、ニュートリノ振動現象の中で未発見だった電子ニュートリノ出現現象の世界初観測を通じて、ニュートリノ物理の謎を解明することだった。しかし、T2K実験の状況、他の国際実験の成果を踏まえて、ニュートリノ物理解明の上でよりインパクトのある成果を残すために、研究対象をミューオンニュートリノ消失現象の精密測定に切り替えた。最終的には世界最高峰の測定精度を達成し、ニュートリノ物理解明において非常に大きな貢献をした。T2K実験における振動現象の精密測定には、ニュートリノフラックスと反応断面積の予測精度が必須である。ニュートリノフラックス予測の主な不定性は、陽子と炭素標的反応でのハドロン生成断面積のモデルの不定性が起因している。また、T2K実験ではニュートリノビームの方向の不定性がフラックスの不定性に影響する。そこで、スイスのCERN-NA61/SHINE実験でのハドロン生成断面積測定の結果を用いてハドロン生成モデルの不定性を抑えると同時に、様々なニュートリノビームモニターを用いて、良い精度でビーム方向を測定・制御した。
2010年1月から2012年6月までのデータを使用し、観測した58のミューオンニュートリノ事象を観測した(予測数は57.97)。ミューオンニュートリノ消失現象に関係するモデルパラメータ(sin^22θ_<23>,△m^2_<32>)=(1.00^<+0.00>_<-0.04>,2.45±0.19×10^<-3>[eV^2])と求め、sin^22θ_<23>に関して、世界最高峰の測定精度を達成した。この成果は、宇宙の物質優勢の謎の解明に大きな貢献をした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] T2K neutrino flux prediction2013

    • 著者名/発表者名
      K. Abe, 他T2Kコラボレーション
    • 雑誌名

      Physics Review D

      巻: 87 ページ: 12001, 12034

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.87.012001

    • 査読あり
  • [学会発表] T2K実験におけるυ_μ消失確率の最新結果2012

    • 著者名/発表者名
      村上明、他T2Kコラボレーション
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      京都産業大学
    • 年月日
      2012-09-13

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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