研究課題
本研究の目的は、KL→π0νν崩壊を用いて、標準理論を越える新物理モデルを探索することである。本年度はまず地震によって被害を被った検出器の動作確認、及び被害規模調査を行った。これにより昨年度建設を進めていたCsIカロリメータに修復不可能な被害は無いことが確認された。しかしながら大幅なアライメントずれなどが発生しており、それの対応を進めた。こちらは2011年度末にほぼ完了した。CsIカロリメータは昨年度に大気中での試験を行っており、そのデータを用いて主に時間情報の取り扱いについて解析し、検出器としての性能評価を行った。この詳細に関して日本物理学会2011年秋季大会に置いて口頭発表を行っている。同時にCsIカロリメータ上流部に設置する荷電粒子検出器のコントロールシステムの開発を行った。読み出しに用いるMPPCの電圧制御、ペルチェを用いた温度制御機構などを含んでおり、おもにアナログ電子回路の設計開発を元に試験を行い、要求性能を満たすシステムを構築していることを確認した。これに関しても日本物理学会2011年秋期大会において詳細を発表した。2011年度8月にはこれまで開発を行ってきたCsIカロリメータのコントロールシステムを組み上げ、全数動作させることに成功した。これを元にGCOE symposium(Kyoto Univ.)においてポスター発表を行った。それに続き、真空環境で長期運転する試験を行った。これにより様々な問題点を洗い出すことができた。具体的にはアウトガスによる信号出力低下、放電による電子回路の故障などである。本年度後半はこれらの問題に対応する方法を考案し、実際の作業を2012年から開始している。この作業は2012年中旬までを予定しており、終わり次第再度真空試験を行い、年末の実験に備える予定である。
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Nuclear Inst.and Methods in Physics Research, A
巻: 664 ページ: 264-271
10.1016/j.nima.2011.11.010