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2012 年度 実績報告書

ヘムタンパク質自己組織化を基盤とする機能性超分子デバイスの構築

研究課題

研究課題/領域番号 10J00569
研究機関大阪大学

研究代表者

柿倉 泰明  大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードヘムタンパク質 / 金電極 / 自己集合
研究概要

ヘムタンパク質は多様な機能を有し、補欠分子を置換することで機能改変が可能なため、魅力的な機能素子である。それゆえ、様々な機能を発揮するヘムタンパク質を集積して得られるデバイスの構築が期待される。本研究代表者はヘムポケットとその補欠分子の相互作用を利用した手法に着目した。すなわち、補欠分子とタンパク質の特異的相互作用をタンパク質間で誘起させてタンパク質を連結し、これを電極表面に固定したヘムタンパク質集合体修飾電極の構築を行った。今年度の具体的成果を以下に示す。
1)ヘムタンパク質の一種であるシトクロムb_<456>の変異体(H63C)の表面に亜鉛ポルフィリン誘導体を修飾し、これに引き続きH63Cに元来含まれるヘム分子を除去することでモノマーユニットを得た。これを中性条件下濃縮して、亜鉛置換H63C集合体を得た。
2)前年度までに報告した系とは異なる配向を持たせてタンパク質集合体を電極上に集積させた。マレイミドを両末端に有するジスルフィド誘導体を合成し、金電極上に修飾した。その上にアポH63Cを浸漬させ、単層のアポタンパク質が固定された電極を得た。この電極に亜鉛置換H63C集合体を浸漬することで、先行研究とは逆の配向を持つタンパク質集合体を修飾した電極を調製した。ヘムタンパク質の修飾量を見積もるために交流インピーダンスおよびQCMによる測定を行ったところ、平均しておよそ7~8個のH63Cが亜鉛ポルフィリン-ヘムポケット相互作用を介して電極上に集積しているという結果を得た。これは先行研究よりも1個多い値である。一方で亜鉛ポルフィリンの光励起を利用したアノードおよびカソード方向への光電流発生実験の結果、単一層の修飾電極よりも光電変換効率が約2倍向上するという結果を得た。これは先行研究の場合に比べて約40%の光電変換向上率であり、電極上におけるタンパク質集合体の物性がモノマーユニットの積層量のみならず、その配向性に影響されることを示唆する結果である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Supramolecular Linear Assemblies of Cytochrome b_562 Immobilized on a Gold Electrode2013

    • 著者名/発表者名
      Yasuaki Kakikura, Akira Onoda, Emi Kubo, Hiroaki Kitagishi, Taro Uematsu, Susumu Kuwabata,Takashi Hayashi
    • 雑誌名

      Journal of Inorganic and Organometallic Polymers and Materials

      巻: 23 ページ: 172-179

    • DOI

      10.1007/sl0904-012-9737-1

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.chem.eng.osaka-u.ac.jp/~hayashiken/

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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