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2011 年度 実績報告書

自然免疫によるヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-I)発現の生体内抑制機序

研究課題

研究課題/領域番号 10J00630
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

金原 秀一  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードHTLV-i / ATL / I型インターフェロン
研究概要

Human T cell leukemia virus type-I(HTLV-I)は成人T細胞白血病(Adult T cell leukemia: ATL)の原因ウイルスである。感染者生体内では、ウイルス遺伝子の転写が非常に低レベルであることが知られている。HTLV-I発現の低下は、感染細胞を獲得免疫から逃避させ、生涯にわたる持続感染を成立させる大きな要因と考えられる。このため、この現象はHTLV-I感染から種々の病態の発症に至る機序を理解する上で非常に重要であると考えられる。しかしながら、HTLV-I発現抑制機序は未だ解明されていない。我々は、HTLV-I感染がI型インターフェロン応答を誘導し、これによりウイルス発現が抑制される現象をin vitroの実験系で見いだした。しかしながら、感染者生体内における現象と同様であるかは不明である。本研究課題において我々は、PRRによって認識される可能性のあるHTLV-I遺伝子由来の核酸を探索してきた。現在のところ、ウイルス粒子構成遺伝子とは無関係と思われる転写産物を見いだすことに成功した。本年度はこの新規転写産物の塩基配列を一部同定した。さらに、この転写産物の機能、詳細の特徴に関して解析したところHTLV-I感染T細胞株の生存維持に関わる可能性があることが判明した。
以上のことに関して現在論文掲載に向けて準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現時点で、感染細胞株でのHTLV-Iによるインターフェロン応答の惹起機序を解明する予定であったが、RNAi法実験系の作成に困難が生じ、そのため、研究の進行が遅れてしまっている。

今後の研究の推進方策

本研究の完遂にあたって、新規転写産物を各感染細胞内でノックダウンして、その機能を解析することは重要事項であり、よって、RNAi法実験系の作成は不可欠である。対策としては、shRNAの塩基配列の種類を5~10種類程度設計し、そのベクターを作成する。よりRNAi効率の高いものを使用し、解析に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Anti-sense transcripts encoded by HTLV-I in adult T-cell leukemia cells2011

    • 著者名/発表者名
      Shuichi Kinpara
    • 学会等名
      International Union of Microbiological Societies 2011 Congress
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2011-09-12

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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