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2012 年度 実績報告書

長鎖アルキル基を有する酸化還元系分子の集積化:次元的秩序性の実現と外部刺激制御

研究課題

研究課題/領域番号 10J00648
研究機関北海道大学

研究代表者

石垣 侑祐  北海道大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(PD)

キーワードエレクトロクロミズム / 酸化還元系 / 長鎖アルキル基 / 水溶性 / ジカチオン
研究概要

長鎖アルキル基を有する酸化還元系分子の集積化に向け,前年度は酸化還元系分子を非対称化させることで新たな特性の付与を目指した研究を展開した。
本年度の研究では,ジアリールエテニル型化合物のアリール基上に水溶性置換基を導入することで,ジカチオン状態と中性状態のどちらも水に可溶な酸化還元系の構築を目指した。今回合成した7種類の化合物は,酸化種が共役で安定化されるもの,オリゴマー化するもの,あるいは分子内で環化するものなど,中心骨格の種類により特徴づけられる様々な応答挙動を示すと期待した。さらに,ジアルキルアミノフェニル基を有するカチオン種は水中でも安定であるため,可逆な酸化還元に基づくエレクトロクロミズム挙動は水中でも観測できると考えた。
合成は,ジアルデヒド体を出発物質とするWittig-Horner反応により行い,7つの水溶性化合物をそれぞれ良好な収率で得た。これらの化合物はヨウ素により容易にカチオン種へと酸化され,得られた酸化種はZn還元により元の中性体を再生することを確認した。
続いて電気化学応答を調査すると,中心骨格にアントラセンを有する誘導体がジクロロメタン中と水中のどちらでも等吸収点を有するクリーンな酸化還元挙動を示し,キノイド型の酸化種と相互変換することを明らかにした。また,ビナフチル型誘導体においては分子内での結合形成・切断に伴って可逆性の高い酸化還元挙動を示すことを見出した。これらの誘導体は有機溶媒及び水に十分可溶であるため,溶媒による酸化還元挙動の変化や,長鎖アルキル基の効果による水中での凝集体の観測など,さらなる展開が期待できるものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Nonadditive substituent effects on expanding prestrained c-c bond in crystal: X-ray analyses on unsymmetrically substituted tetraarylpyracenes prepared by a flow microreactor method2012

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Ishigaki, et a1.
    • 雑誌名

      Chemistry Letters

      巻: 41 ページ: 541-543

    • DOI

      10.1246/cl.2012.541

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-16  

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