研究概要 |
平成23年度は,金属表面での酸素分子及びテトロヒドロホウ酸イオンの反応に関する理論的研究を行い,燃料電池等の産業応用に用いる事ができる新規触媒のデザインに有用な知見を得た.燃料電池用電極触媒の反応性に関して,密度汎関数理論に基づく第一原理電子状態計算とモンテカルロ法を援用して研究を行った.様々な強磁性基盤を用いた白金被覆膜の磁化や,温度による酸化プロセスの制御法を開発した.また,テトロヒドロホウ酸イオンの分極率の高さから,周囲の水や外部電場がホウ素-水素結合の壊れ易さに影響を与えるという事を明らかにした.また,国内外の学会にも積極的に出席し,多くの研究者と議論を重ねた.特にカナダ・ブリティッシュコロンビア大学の実験研究者と共同研究を行っており,協力体制をする事ができた.これらの成果をまとめ,注目度の高い学術雑誌であるJournal of Physical Chemistry C, Chemical Physics Letters, Journal of Physics Condensed Matter等に出版し,American Vacuum Society,Japan-Croatia Workshopや国内会議にて発表した.
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