研究課題
【SOIPIX開発と性能評価】今後のX線天文学における熱的と非熱的宇宙高エネルギー現象(例えば、銀河中心)の研究を開拓するために「低バックグラウンド・精密分光撮像・広帯域X線検出器」が必須である。その実現に向けて、SOI (Silicon-On-Insulator)技術を応用した日本独自のアナログ・デジタルLSIと厚いX線検出部の一体型シリコン・ピクセルSOI検出器「X線SOIPIX」の開発を進めた。今年度(平成22)は、初のX線SOIPIX試作品「XRPIX1」に開発に成功し、大きな成果を上げことができた。具体的には、(1)ノイズを下げるために相関多重サンプリング法を素子に組み込み、エネルギー分解能280eV(半値幅8keV)を達成した(前試作品より10倍向上)。(2)トリガ出力回路を素子に組み込み、機能の正常動作に成功した(同種類検出器で初)。(3)空乏層厚み140μm(高いX線検出感度)に到達した。これらの成果より、SOIPIXが最終目標への基本的な見通しが得られ、技術的障害はないと確信することが出来た。SOIPIXグループを代表してIEEE国際会議で口頭発表を行った。その際にたくさんの質問を受け、大きく注目を集めた。SOIPIXの結果を査読付き論文としてまとめ、投稿した。同分野の国際競争(ドイツ、アメリカ)に勝ち抜くために、来年度も全力で開発を進めていく。【銀河系中心全域のX線観測データの解析】今年度は「すざく」のデータ解析の準備を進めた。「ASTRO-H(次期X線天文衛星)のSummer School」に参加し、発表を行った。そこで情報収集を行いました。また、二週間鹿児島県宇宙内之浦宇宙空間観測所で観測運用を行い、未観測の銀河中心部のX線データを取得した。来年度は本格的に解析を開始する。
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The Energetic Cosmos:from Suzaku to ASTRO-H"held in Otaru 収録
巻: JAXA-SP-09-008E ページ: 116-117
Nucl.Instr.and Meth.A
巻: In Press
IEEE Nucl.Sci.Symp.cow.収録