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2010 年度 実績報告書

実簡約リー群のユニタリ表現の分岐則の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10J00710
研究機関東京大学

研究代表者

大島 芳樹  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード表現論 / リー群 / ユニタリ表現 / 分岐則
研究概要

研究の目的は表現の分岐則を求めること,すなわち与えられた群の(一般に無限次元の)既約表現を部分群に制限したときの既約表現への分解を記述することである.特に導来関手加群と呼ばれる実簡約リー群のユニタリ表現が,代数的離散分解可能な場合を研究対象としている.平成22年度に行った研究の成果は次のとおりである.まず導来関手加群が対称対について離散分解するための判定条件を,ある種の放物型部分群の存在に置き換えて,大きい群の旗多様体と小さい群の旗多様体とを結びつける写像を構成した.これと導来関手加群の旗多様体上のD加群としての実現を合わせて,分岐則についての上からの評価を得た.さらにコンパクト部分の旗多様体に,部分群が推移的に作用している場合には分岐公式が得られた.これは,Kタイプを与えるBlattner formulaおよび離散系列表現の簡約部分群への制限について知られていた分岐公式を含んでいる.D加群の手法のみから得られた結果はここまでである.より一般の場合に進むために,小林の判定条件に基づいて離散分解可能な導来関手加群と部分群の分類を行い,それらを離散系列表現につながるクラス(離散系列型)とその他のクラス(孤立型)にわけた.孤立型については,ケースバイケースにD加群による考察とBlattner formulaを使ったKタイプの情報から分岐則を計算した.離散系列型については,これに加えてさらに離散系列表現のcoherent familyの交代和を使う手法を用いて分岐則を計算した.以上の手法で得られた新たな分岐公式は,等質空間上の関数空間やコホモロジー空間への表現の具体的な実現を通してそれらの空間の分解を与えており,非コンパクトな空間の大域解析とつながっている.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Restriction of Vogan-Zuckerman derived functor modules to symmetric subgroups2010

    • 著者名/発表者名
      大島芳樹
    • 雑誌名

      第13回代数群と量子群の表現論研究集会報告集

      ページ: 73-78

  • [雑誌論文] Restriction of Vogan-Zuckerman derived functor modules to symmetric subgroups2010

    • 著者名/発表者名
      大島芳樹
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録1722等質空間と非可換調和解析

      巻: 1722 ページ: 111-116

  • [雑誌論文] 導来関手加群の離散的分岐則2010

    • 著者名/発表者名
      大島芳樹
    • 雑誌名

      2010年度表現論シンポジウム講演集

      ページ: 126-134

  • [学会発表] 導来関手加群の離散的分岐則2011

    • 著者名/発表者名
      大島芳樹
    • 学会等名
      表現論とその関連分野
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2011-03-16
  • [学会発表] Discrete branching laws of derived functor modules2011

    • 著者名/発表者名
      大島芳樹
    • 学会等名
      第6回代数・解析・幾何セミナー
    • 発表場所
      鹿児島大学
    • 年月日
      2011-02-14
  • [学会発表] 導来関手加群の離散的分岐則2010

    • 著者名/発表者名
      大島芳樹
    • 学会等名
      2010年度表現論シンポジウム
    • 発表場所
      静岡県公共の宿おおとり荘
    • 年月日
      2010-11-12
  • [学会発表] Restriction of Vogan-Zuckerman derived functor modules to symmetric subgroups2010

    • 著者名/発表者名
      大島芳樹
    • 学会等名
      等質空間と非可換調和解析
    • 発表場所
      京都大学数理解析研究所
    • 年月日
      2010-06-16
  • [学会発表] Restriction of Vogan-Zuckerman derived functor modules to symmetric subgroups2010

    • 著者名/発表者名
      大島芳樹
    • 学会等名
      第13回代数群と量子群の表現論研究集会
    • 発表場所
      愛知県すいとぴあ江南
    • 年月日
      2010-06-05

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公開日: 2012-07-19  

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