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2010 年度 実績報告書

ナノ構造デバイスの原子論的量子輸送モデリングに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10J00804
研究機関神戸大学

研究代表者

山田 吉宏  神戸大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードシリコンナノワイヤ / フォノン散乱 / 移動度 / バンド構造 / 強束縛近似法 / Keatingポテンシャル / ボルツマン方程式 / MPI
研究概要

シリコンナノワイヤトランジスタの原子論的フォノン散乱移動度シミュレータを開発した。最初に、sp^3d^5s^*モデルによる強束縛近似法からシリコンナノワイヤの電子バンド構造を計算するプログラムを開発した。そして、第一原理計算法から計算されたバンド構造と比較して妥当な計算結果であることを確認した。次に、Keatingポテンシャルによるフォノンバンド構造の計算手法を開発した。強束縛近似法とKeatingポテンシャルから計算された電子/フォノンバンド構造と原子波動関数/原子振動ベクトルを用いて、原子論的な電子-フォノン摂動ハミルトニアンを計算する方法を開発した。最終的に、フェルミの黄金律からパウリの排他律を取り入れたフォノン散乱確率の計算を行い、線形化されたボルツマン方程式からシリコンナノワイヤトランジスタにおけるフォノン散乱移動度の計算するシミュレータを開発した。また、シミュレーションプログラムの並列化を行い、大型並列計算機で実行可能なプログラムを開発した。一方、これまでの解析的フォノン散乱モデルとして、有効質量近似による電子バンド構造と経験的パラメータによる変形ポテンシャルを仮定したフォノン散乱確率/移動度を計算するシミュレータも開発した。三角形メッシュ分割を行い有限要素法によるシュレーディンガー方程式とボアソン方程式の高精度離散化手法を開発し自己無撞着計算を実施した。原子論的フォノン散乱モデルと解析的フォノン散乱モデルで、移動度の直径・方向依存性を解析した結果、直径サイズが小さくなるにつれて解析的フォノン散乱モデルがその有効性を失い、原子論的モデルが有効であることを示した。さらに、<110>方向が最も移動度が高く直径が3nm以下の極微細ナノワイヤトランジスタにおいて優れた電気伝導性を有することを示した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 原子論的アプローチによるSiナノワイヤのフォノン散乱移動度モデリング2011

    • 著者名/発表者名
      山田吉宏
    • 学会等名
      2011年春季第58回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      神奈川工科大学(神奈川県)(招待講演)
    • 年月日
      2011-03-24
  • [学会発表] Quantum transport simulation of Silicon-nanowire transistors based on direct solution approach of the Wigner transport equation2010

    • 著者名/発表者名
      山田吉宏
    • 学会等名
      IEEE Kansai Electron Devices Workshop
    • 発表場所
      関西大学(大阪府)(招待講演)
    • 年月日
      2010-10-22

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公開日: 2012-07-19  

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