• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

無機ナノシートの合成と評価

研究課題

研究課題/領域番号 10J00866
研究機関京都大学

研究代表者

甲斐 一也  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードナノシート / マンガン酸化物 / 層状酸化物 / コバルト酸化物 / 有機無機ハイブリッド / 溶液合成
研究概要

1.MnO_2ナノシートの形成機構の解明
一段階酸化法は簡便かつ高速で酸化物ナノシートを得られるが,未だその形成機構に関する実験データが得られていない.反応中間体の構造やナノシート収率の時間変化に関する情報は,一段階溶液法を他の酸化物の系に応用する上で重要である.申請者は一段階溶液合成法の反応機構を,反応時間ごとに回収した試料のXRD,IRおよび元素分析等を用いて詳細に解析し,反応中間体と形成機構を明らかにした.その結果,一段階溶液合成法ではまず層状オキシ水酸化物がアルカリ性溶液中で形成したのち,酸化剤による酸化と有機イオンとのイオン交換反応を経て反応が進行することが明らかとなった.これにより,層状オキシ水酸化物を有機イオン存在下で酸化することでナノシートや有機/無機複合体を得られる事が示され,一段階溶液法を応用できる物質の幅が広がった.
2.CoO_2ナノシートの合成
CoO_2ナノシートを得ることができれば透明伝導膜や高効率電極材料,高効率熱電材料の開発が可能となるのみならず,エキゾチックな物性を示す二次元電子ガスとして物性研究の舞台となるため,ナノシート化がもたらすインパクトは物性研究・材料開発の面で多大である.しかしながら,CoO_2層の電荷密度は比較的高いため,イオン交換反応で層間距離を広げる剥離剤の挿入が困難である.CoO_2ナノシートを得るためにはこの剥離剤の挿入が不可欠であるが,申請者は層間距離の大きく広がった層状水酸化物を前駆体に,これを剥離剤の存在下で化学酸化することで,剥離剤(四級アンモニウムイオン)の挿入した層状コバルト酸化物を得ることに成功した.コバルト酸化物に四級アンモニウムが挿入した例はこれが初であり,ナノシート化に大きく近づいたと言える.剥離はこの物質のCoO_2層を酸化し,無機層の負電荷を低減することで達成できると考えられ,現在酸化剤を検討中である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Shape Deformable Nanocomposite Compound of Manganese Oxide Nanosheets2011

    • 著者名/発表者名
      Yukihiro Yoshida
    • 雑誌名

      Journal of Materials Chemistry

      巻: 21 ページ: 5863-5866

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi