(1)炎症収束期に出現する細胞群は好酸球様の細胞である急性炎症の収束期に出現してくる細胞として同定したF4/80^+M1^<10>細胞(Mφのマーカー分子であるF4/80陽性、新しいマーカー分子(M1)に弱陽性)の遺伝子およびタンパク質発現、形態学的解析を行なった結果、好酸球様の細胞であることを同定した。 (2)F4/80^+M1^<10>細胞は炎症収束期における12/15-リポキシゲナーゼ代謝物の主要な産生細胞である腹膜炎により炎症巣に浸潤した細胞をex vivoで刺激し、LC-MS/MSを用いて脂肪酸代謝物の包括的メタボローム解析を行った。その結果、F4/80^+M1^<10>細胞をdepletionすることによって抗炎症性メディエーターのプロテクチンD1をはじめとする12/15-リポキシゲナーゼにより産生される脂肪酸代謝物の産生が著しく低下していることを見出した。 (3)F4/80^+M1^<10>細胞による炎症収束作用は12/15-リポキシゲナーゼ依存的であるF4/80^+M1^<10>細胞の炎症収束における機能を調べるために、好酸球をdepletionした条件下で炎症の収束について検証した結果、炎症の収束が遅延が認められました。そこで、外から野生型および12/15-リポキシゲナーゼ欠損の好酸球を投与することによって、好酸球をdepletionしたことによる表現型が回復されるかについて検討を行なった。その結果、好酸球をdepletionしたマウスで認められた炎症収束の遅延は、野生型の好酸球を投与することでほぼ正常レベルまで回復した。一方、12/15-リポキシゲナーゼ欠損の好酸球の投与では回復が認められなかった。
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