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2010 年度 実績報告書

植物生体膜の亜鉛輸送システムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 10J01010
研究機関神戸大学

研究代表者

河内 美樹  神戸大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)

キーワード亜鉛 / 膜輸送体 / 液胞 / 国際研究者交流 / ドイツ
研究概要

酵母ではZIPファミリーの一つであるZRT3が液胞膜に局在し、液胞内の亜鉛を細胞質に再供給して亜鉛欠乏時の亜鉛恒常性に重要な役割を果たしている事が分かっている。しかし植物においてはこれまでに液胞から細胞質へ亜鉛を供給する輸送体は同定されていない。そこでシロイヌナズナの中で酵母ZRT3と相同性の高い輸送体At3g20870とAt3g08650を液胞膜型亜鉛供給輸送体の候補として、その機能解析を進めた。At3g08650については奈良先端大学の深尾陽一郎準教授よりAt3g08650内在性プロモーターにGUSレポーター遺伝子を融合させた遺伝子形質転換体を分与して頂き、亜鉛濃度の異なる培地で生育した植物のGUS染色を行った。At3908650は根と葉脈で発現しており、過剰亜鉛条件で発現量が増加することが明らかとなった。T-DNA挿入遺伝子欠損株を用いた解析より、At3g08650遺伝子欠損株は亜鉛過剰条件で根の伸長が野生株よりも短く、根の生重量も野生株よりも少なかった。At3g20870遺伝子欠損株はいずれの条件下でも根の伸長、生重量に野生株との有為差は見られなかった。クロロフィル含量は、At3g08650遺伝子欠損株とAt3g08650遺伝子欠損株の両者とも、亜鉛欠乏条件下で野生株よりも顕著に高いことが明らかになった。これらの結果はAt3g20870とAt3g08650が亜鉛恒常性に何らかの役割を果たしている事を示唆している。また、シロイヌナズナ液胞膜亜鉛輸送体AtMTP1の変異導入解析より、N末端領域、His-rich loop、Leu zipperモチーフなどが基質選択性に関わること、N末端領域とHis-rich loopが輸送活性調節に関わる事も新たに解明した。なお、本成果はドイツのルール大学ボーフムにおいてUte Kraemer教授と共同研究によるものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 亜鉛トランスポーターのイオン選択性と基質濃度認識に関わる構造2010

    • 著者名/発表者名
      前島正義
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(兵庫県)
    • 年月日
      20101207-20101210
  • [学会発表] Molecular physiological analysis of His-rich region of Arabidopsis vacuolar membrane Zn transporter AtMTP12010

    • 著者名/発表者名
      Masayoshi Maeshima
    • 学会等名
      The 60th Fujihara Seminar "Zinc Signaling and Cellular Functions"
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪府)
    • 年月日
      20101029-20101031
  • [図書] Detoxification of Heavy Metals.2011

    • 著者名/発表者名
      Miki Kawachi
    • 出版者
      A.Springer, Heidelberg, Germany.,印刷中

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公開日: 2012-07-19  

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