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2011 年度 実績報告書

近世怪異小説における怪異否定の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10J01013
研究機関神戸大学

研究代表者

門脇 大  神戸大学, 人文学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード近世文学 / 怪異小説 / 弁感物 / 心学 / 平田篤胤
研究概要

主に以下の五点の調査・発表を行った。
第一に、平田篤胤『勝五郎再生記聞』に関する発表を行った。口頭発表「『勝五郎再生記聞』小考」(第28回鈴屋学会大会研究発表会、本居宣長記念館、2011年4月)、論文「『勝五郎再生記聞』小考」(「鈴屋学会報」28号、2011年12月)である。十余点の関係資料を整理して、対象作品の特色を明らかにした。また、「産土神」に関わる例話が『玉襷』にとりいれられていることを明らかにした。
第二に、弁惑物が同時代にどのように捉えられていたのかを発表した。論文「前近代における怪異譚の思想変節をめぐって」(「アジア・ディアスポラと植民地近代」成果報告書、科学研究費補助金(基盤研究(B)、2009年~2011年)、代表者・緒形康、2012年3月)である。弁惑物『太平弁惑金集談』が出版された四年後に、怪異小説『今昔雑冥談』が出版された。両者の関係を具体的に検討した。さらに『怪談見聞実記』の検討を行った。これらの検討により、怪異譚の思想変節の一端を明らかにした。
第三に、弁惑物と心学書に共通する言説を発表した。論文「心学書に描かれた怪異-心から生まれる怪異をめぐって-」(「国文論叢」45号、2012年3月)である。心学書に記されている、怪異現象の正体や原因を人の心に求める話を検肘した。さらに、弁惑物との比較・検討を行い、両者に共通して見られる怪異否定の論理を明らかにした。
第四に、近世怪異小説における弁惑物の位置づけを発表した。論文「弁惑物の位相」(「国文学研究ノート」49号、2012年3月)である。弁惑物、近世怪異小説に関する先行研究を整理して、弁惑物がどのような作品群であるのかを明らかにした。また、弁惑物の周辺分野を明示した。
第五に、上記の一から四の調査・発表に加えて、前年度以前の研究成果を博士論文「弁惑物の研究-近世怪異小説をめぐって-」(神戸大学、2011年12月)にまとめて発表した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 前近代における怪異譚の思想変節をめぐって2012

    • 著者名/発表者名
      門脇大
    • 雑誌名

      「アジア・ディアスポラと植民地近代」成果報告書

      ページ: 27-40

  • [雑誌論文] 心学書に描かれた怪異-心から生まれる怪異をめぐって-2012

    • 著者名/発表者名
      門脇大
    • 雑誌名

      国文論叢

      巻: 45 ページ: 13-25

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 弁惑物の位相2012

    • 著者名/発表者名
      門脇大
    • 雑誌名

      国文学研究ノート

      巻: 49 ページ: 37-49

  • [雑誌論文] 『勝五郎再生記聞』小考2011

    • 著者名/発表者名
      門脇大
    • 雑誌名

      鈴屋学会報

      巻: 28 ページ: 25-39

    • 査読あり
  • [学会発表] 『勝五郎再生記聞』小考2011

    • 著者名/発表者名
      門脇大
    • 学会等名
      鈴屋学会
    • 発表場所
      本居宣長記念館
    • 年月日
      2011-04-17

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公開日: 2013-06-26  

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