• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

エネルギー代謝関連転写因子TFE3の骨格筋における機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 10J01029
研究機関筑波大学

研究代表者

中 彩乃  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード骨格筋 / 転写因子 / 代謝
研究概要

本年度は,骨格筋組織特異的にTFE3を高発現するトランスジェニックマウス(αACT TFE3 Tgマウス)を用いて,代謝機能,運動耐容能の測定を行い,さらに筋組織における遺伝子発現の変化を検討しTFE3の分子メカニズムを解析した.
その結果,αACT TFE3 Tgマウスは,外見上明らかな差異は認めなかったが,体組成では,対照群に比し除脂肪重量が有意に増加していた.血糖値,血中インスリン値,総コレステロール,中性脂肪,遊離脂肪酸といった各種代謝パラメーターに変化は認められなかった.一方で呼気ガス分析では,αACT TFE3マウスは対照群と比較して活動時に糖代謝優位に代謝が行われていることが確認された.また,強制運動負荷における運動耐容能試験では,対照群と比較しαACT TFE3 Tgマウスで有意に運動耐容能が増加していた.
リアルタイムPCR,ノーザンブロット法を用いた骨格筋組織における遺伝子発現解析では,hexokinase 2, glycogen synthase 1といったグリコーゲン合成経路に関わる遺伝子の発現が著明に上昇していることが確認され,骨格筋内へのグルコース取り込みに関与するGLUT4の発現上昇も認められた.また,上記遺伝子の発現上昇にともない,αACT TFE3 Tgマウスの骨格筋には有意なグリコーゲンの蓄積がPAS染色および定量法により確認された.一方,解糖系に関与する遺伝子phosphofructokinase, pyruvate kinaseには変化が認められなかった.
以上の結果から,転写因子TFE3は骨格筋における糖代謝や運動耐容能の向上に有効的な効果をもたらす因子となる可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Functional analysis of TFE3, the energy metabolism related transcription factor, in skeletal muscles.2010

    • 著者名/発表者名
      Ayano Naka
    • 学会等名
      15th Annual Congress of the European College of Sport Science (ECSS)
    • 発表場所
      Adam & Eve Hotel Convention Center, Antalya, Turkey(トルコ共和国)
    • 年月日
      2010-06-24
  • [学会発表] エネルギー代謝関連転写因子TFE3の骨格筋における機能解析2010

    • 著者名/発表者名
      中彩乃
    • 学会等名
      第53回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      岡山全日空ホテル(岡山県)
    • 年月日
      2010-05-28

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi