自然免疫活性化におけるスレオニン脱リン酸化酵素EAY4の基質同定 本研究は、Flag-tagを付加したEYAをMEFに発現させ、poly I:Cで刺激することにより自然免疫を活性化し、抗Flag抗体を用いてEYAと結合するタンパクの同定を最終目標としている。酵素と基質の結合時間は非常に短いと考えられているため、解離能力を減少させるような変異体の作製を試みた。まず始めに、EYA familyの中で、どのEYAが最も酵素活性が強いかを調べたところ、EYA3のスレオニン脱リン酸化酵素活性は他のEYA familyよりも酵素活性が5~40倍近く高いことが明らかとなった。ついで、EYA3の酵素活性に必要なドメインを調べるため、各エクソン欠失変異体EYA3を作製したところ、EYA3の53~120番目のアミノ酸までが必要であることが明らかとなった。また53~120番目のわずか68アミノ酸(EYA3 53-120)だけで、EYA3のスレオニン脱リン酸化酵素活性が十分であることがわかった。さらに、68個のアミノ酸のうち15個のアミノ酸をアラニンに置換した変異体を作製したところ、56番目のシステイン、72番目のチロシン、79番目のヒスチジン、90番目のチロシン残基がEYA3のスレオニン脱リン酸化酵素活性に必須であることを見いだした。また、小麦抽出液を用いたIn Vitroでの合成で、大量にEYA3 53-120組換体を大量に精製可能であることを見いだした。
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