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2010 年度 実績報告書

高周波震源インバージョンに基づく地震波輻射過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10J01224
研究機関独立行政法人防災科学技術研究所

研究代表者

澤崎 郁  独立行政法人防災科学技術研究所, 社会防災システム研究領域・災害リスク研究ユニット, 特別研究員(PD)

キーワード前方散乱近似 / エンベロープ / 高周波地震記録 / 短波長ランダム不均質媒質 / 非等方震源 / コヒーレンス
研究概要

高周波震源過程を明らかにするためには、非等方輻射のもとでの高周波地震波の特徴を調べる必要がある。従来、震源過程の研究においては、数Hz以上の地震波の方位依存性は無視できると考えられてきた。しかし本研究では、西南日本で発生した横ずれ断層型地震の高周波地震記録を精査し、2-16Hzの帯域において、震源距離80-200kmの範囲において明瞭な4象限型の方位依存性が見られることを初めて明らかにした。この方位依存性を、前方散乱近似に基づき合成した理論エンベロープにより定性的に再現することができた。これらの結果により、高周波地震動の解析において震源輻射特性を取り入れることの重要性が示された。また、輻射特性を取り入れた理論エンベロープを大地震の震源過程のインバージョン解析に適用できる根拠を示すことができた。
加えて、研究代表者は2点で観測される高周波地震記録のコヒーレンスについて理論的な考察を行った。ガウス型ランダム不均質媒質を仮定した場合に、2点間のコヒーレンスが観測点間距離、震源距離、周波数の増加と共に減少する様子を数理的に導くことに成功した。また、コヒーレンスが震源方向と観測点アレイとのなす角度にも依存し、アレイが震源方向に直交する場合に最もコヒーレンスが小さくなることを新たに導いた。本研究により、地震波干渉法に代表される地震波の位相を用いた解析と、エンベロープ解析に代表される地震波のエネルギーに着目した解析のそれぞれの適用限界が示唆された。この研究をさらに推し進めることで、深部低周波微動や余震などの微弱でかつ連続的な振動源を検出することが可能になると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Retrieval of the cross correlation function in a random inhomogeneous medium for uncorrelated sources using the mean wavefield2010

    • 著者名/発表者名
      Kaoru Sawazaki, Hiroyuki Fujiwara
    • 学会等名
      AGU 2010 Fall Meeting
    • 発表場所
      米国,サンフランシスコ,Moscone Convention Center
    • 年月日
      2010-12-13
  • [学会発表] 平均場に基づくランダム不均質媒質中でのランダム一様な励起源に対する相互相関関数の導出2010

    • 著者名/発表者名
      澤崎郁・藤原広行
    • 学会等名
      日本地震学会2010年秋期大会
    • 発表場所
      広島国際会議場
    • 年月日
      2010-10-29
  • [学会発表] 平均場を用いたランダム不均質媒質中の雑微動記録に対する相互相関関数の特徴2010

    • 著者名/発表者名
      澤崎郁・藤原広行
    • 学会等名
      リソスフェアの短波長不均質性のイメージングとモニタリングに関する研究の高度化-地震発生帯の構造の時空間変化の解明に向けて-
    • 発表場所
      東京大学地震研究所
    • 年月日
      2010-09-15
  • [学会発表] エンベロープインバージョンに基づく2003年十勝沖地震の短周期エネルギー輻射の推定-前方散乱近似に基づく解析-2010

    • 著者名/発表者名
      澤崎郁・佐藤春夫・西村太志
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2010年大会
    • 発表場所
      千葉,幕張メッセ
    • 年月日
      2010-05-24

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公開日: 2013-06-26  

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