本研究は、カメルーン共和国・ベヌエ国立公園地域を主な調査地とし、「持続可能性」を基盤としたスポーツハンティングと地域住民の生活実践の両立および、「人と野生動物の共存関係の構築」に対する学問的貢献と具体的提言を探求することを研究目的としている。 採用一年度目(平成22年度)の前半は、まず、アメリカ合衆国・テキサス州において6月におこなわれた国際シンポジウム「The 16th International Symposium on Society and Resource Management」において、これまでの研究成果を発表した。これによって、海外研究者とともに学術的交流とともに、活発な意見交換をおこなうことができた。また、京都において9月におこなわれた国際シンポジウム「Perspectives on human-nature relationships in Africa : Interrelations between epistemology and practice」にても、研究発表をおこなった。 年度後半は、タンザニアおよびカメルーンにおいて長期フィールドワークをおこなった。11月に出国したのち、本研究の比較調査地としたタンザニアでは、3週間の滞在中、セルー猟獣保護区周辺において、調査村の選定およびデータ収集をおこなった。その後、本調査地であるカメルーン・ベヌエ国立公園周辺へ移動し、約3ヶ月間、フィールドワークをおこなった。調査地では、新たに設定した調査村およびこれまでの調査村の2カ所で、研究目的達成のためのデータ収集を精力的におこなった。 今年度(平成23年度)は、カメルーンにおいて補完的なフィールドワークをおこなうとともに、研究成果の積極的な公表に尽力することを目的としている。
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