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2011 年度 実績報告書

シアノ錯体界面を通じての電圧誘起物質移動とそれを用いた新機能の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 10J01550
研究機関筑波大学

研究代表者

柴田 恭幸  筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードシアノ錯体 / 全固体素子 / 同時測定
研究概要

本研究の目的は、「シアノ錯体界面を通じての電圧誘起物質移動とそれを用いた新機能の開拓」の研究分野を開拓することである。平成23年度は、平成22年度に引き続き、電圧誘起物質移動の機構解明の手掛かりを得るために、下記の内容について測定を行った。1.まず、シアノ錯体接合素子の接触抵抗成分を差し引くために、Na_xCo[Fe(CN)_6]_<0.90>・2.9H_2O(NCF90)、Na_xNi[Fe(CN)_6]_<0.68>・5.1H_2O(NNF68)の二種類の薄膜について、バルク抵抗率の膜厚依存性を測定し、ITO電極とシアノ錯体薄膜の接触抵抗を決定した。2.次に、シアノ錯体接合素子の複素インピーダンスの周波数特性を測定し、この素子は、RC等価回路で再現できることを見出した。3.これまでの研究では、素子に流れる電流応答を通じて、間接的に物質移動を計測しており、より直接的に物質移動を計測するため、NCF90膜とNNF68膜を接合した素子において、電子移動と物質移動のダイナミクスの温度依存性について同時測定を行った。その結果、温度上昇に伴い、電流応答、物質移動の応答ともに速くなり、また、物質移動量が増加することが明らかとなった。4.また、これまでの研究により、接合界面において水分子層が形成されることが示唆されていたが、この水分子層の役割を明らかにするために、(1)大気中で作成された素子と(2)乾燥下で作成された素子、の電子移動ダイナミクスと物質移動ダイナミクスを測定し、比較した。その結果、乾燥下で作成した素子は抵抗体となることがわかった。このことから、この素子の界面間の物質移動には、電子絶縁層としての水分子層が重要であることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Simultaneous Measurement of Electron and Ion Transfer in All-Solid Ion-Transfer Device Made of Transition Metal Cyanide Films2011

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Shibata, Hayato Kamioka, Yutaka Moritomo
    • 雑誌名

      Jpn.J.Appl.Phys.

      巻: 50 ページ: 124101-1-124101-5

    • DOI

      10.1143/JJAP.50.124101

    • 査読あり
  • [学会発表] 全固体シアノ錯体素子の電子移動とイオン移動の同時測定2011

    • 著者名/発表者名
      柴田恭幸、上岡隼人、守友浩
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      富山大学(富山県富山市)
    • 年月日
      2011-09-21
  • [学会発表] シアノ錯体界面を通じたイオン移動2011

    • 著者名/発表者名
      柴田恭幸、守友浩
    • 学会等名
      Polyscale Summer Workshop 2011
    • 発表場所
      東京理科大学長万部キャンパス(北海道長万部町)
    • 年月日
      2011-09-05

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公開日: 2013-06-26  

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