• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

葉内ベタシアニンがアマランサスにおけるC4光合成の光阻害緩和に果たす役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10J01856
研究機関九州大学

研究代表者

中島 大賢  九州大学, 大学院・農学研究員, 特別研究員(DC1)

キーワードアマランサス / 光防御 / クロロフィル蛍光 / C4光合成 / 光阻害 / ベタシアニン / レーザー誘起蛍光
研究概要

過去2年間の研究で,葉内ベタシアニンは青緑色光を吸収することで葉緑体による余剰な光吸収を緩和する「遮光作用」があることを明らかにした.また,ベタシアニン蓄積の影響は葉の背軸側でより顕著であり,維管束鞘細胞および海綿状葉肉細胞でベタシアニンの光防御効果が特に高いことを見出した.
一方,ベタシアニンには活性酸素種を消去する抗酸化能があることが報告されており,「抗酸化作用」により光阻害を緩和する可能性が示唆されている.そこで本年度の実験では,抗酸化作用による光防御効果の有無を確認するため,ベタシアニンによる吸収がほとんどない赤色LEDを光源とする強光を低二酸化炭素条件下で青葉および赤葉系統の葉に照射し,ベタシアニンの遮光作用を排除した際の光阻害程度を検討した.その結果,青葉・赤葉系統間には葉の向軸側および背軸側いずれにおいても光阻害程度に有意差は認められなかったことから,葉内ベタシアニンには抗酸化作用による光防御機能はなく,遮光作用によってのみ光阻害を軽減するものと結論付けられた.さらに,アマランサスの青葉系統と他の植物種の光阻害特性を比較したところ,青葉系統の葉は他の植物種に比べ光防御能力が低く,特に維管束鞘細胞および海綿状葉肉細胞における光阻害感受性が高いことが示唆された.ベタシアニンの遮光作用が維管束鞘細胞および海綿状葉肉に対して特に効果的であることを考慮すると,本色素の蓄積は光阻害を受け易いアマランサス葉内部を保護するうえで重要であると考えられた.このようなベタシアニンの光防御機能は赤葉系統の葉の老化を遅延し,個葉光合成能力の維持に寄与するものと考えられた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] アマランサス属(NAD-ME型C4)における光合成能の種間差とその制御要因の検討2013

    • 著者名/発表者名
      堤 伸子, ら
    • 学会等名
      日本作物学会第235回講演会
    • 発表場所
      神奈川県 明治大学
    • 年月日
      2013-03-28
  • [学会発表] 葉内ベタシアニンが乾燥ストレス下のアマランサスにおける光合成能維持に果たす役割2012

    • 著者名/発表者名
      中島 大賢, ら
    • 学会等名
      日本作物学会第234回講演会
    • 発表場所
      宮城県 東北大学
    • 年月日
      2012-09-11
  • [学会発表] ガス交換およびクロロフィル蛍光の同時測定による葉の向軸側・背軸側の光合成特性評価2012

    • 著者名/発表者名
      中島 大賢, ら
    • 学会等名
      日本生物環境工学会東京大会
    • 発表場所
      東京都 東京大学
    • 年月日
      2012-09-07

URL: 

公開日: 2014-07-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi