研究概要 |
研究目的および計画: 「デッドタイムフリー電子回路を用いた太陽ニュートリノの広帯城実時間観測」のための平成22年度の研究目標は,1.新電子回路を用いた定常データ収集用のソフトウェアの構築,2.太陽ニュートリノのバックグラウンド事象となるKr特定のための新規トリガロジックの開発,である. 研究活動結果の概要: 1.に関して,本年度12月までに基本的なデータ収集ソフトウェアの構築は終了した.その結果,観測目標エネルギー閾値(350 keV~600 keV)に応じて,300~500GB/日程度の定常データ収集を可能とした.本研究期間において,これまでデッドタイムフリーなデータ収集に対する阻害要因であった,オンボードデジタルロジックの不具合を大幅に低減した.残存する不具合は,その発生を瞬時に判定し,測定を自動で切り替えるシステムを構築した.これにより.データとその解析への影響を最小限にしている.また平行してこれらの解消を達成するために,KamLANDにおいて実際のデータ収集を行いながら,通常のデータパスに影響を与えないデータパスで調査を行っている. 2.に関して,Kr特定のためには,遅延同時計測において,後発信号のエネルギーのみがしきい値を超える大きさである特性から,時間逆行型遅延同時係数トリガロジックを開発し,FPGAロジックレベルで開発が終了している.上記オンボードデジタルロジックの問題解決とともにKrをターゲットとする測定を開始する.
|