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2010 年度 実績報告書

SAT変換を用いた制約充足問題の解法とシステム生物学への応用

研究課題

研究課題/領域番号 10J02321
研究機関総合研究大学院大学

研究代表者

宋 剛秀  総合研究大学院大学, 複合科学研究科, 学生特別研究員(DC2)

キーワードシステム生物学 / 命題論理 / SAT / モデル生成
研究概要

本研究では,システム生物学におけるパスウェイに対する,SAT技術を用いた解析方法の研究と開発を行う.得られた結果は専門家によるフィードバックを加えて改善につなげる.これらの方法を用いた新しい生物学的知識の発見が本研究の最終目標である.研究実績を次の研究課題(A),(B)に従って記述する:(A)既存の大規模パスウェイデータベースに対する適用と評価,(B)化合物の定量的性質のモデリング.課題(A)に対する研究進捗を説明する.まず研究対象となる大規模データとして世界的に利用されているデータベースEcoCyc (http://ecocyc.org/) を使用した.これはEcoCycが更新頻度において優れており,またデータそのものも豊富であることが理由である.特にEcoCycの代謝パスウェイデータ(代謝物数:1073,反応数:1777)を使用した.これを解析する手法として,本研究では極小活性パスウェイに着目する手法を提案した.これはある入力代謝物の集合から,化学反応法則を満たしつつ目標代謝物の集合を生成可能なパスウェイ(活性パスウェイ)の中でも,その包含関係において極小なパスウェイを指す.本研究では,与えられた代謝パスウェイデータからこのような極小活性パスウェイを求める問題を極小活性パスウェイ同定問題と定式化した.次にEcoCycの代謝パスウェイデータから極小活性パスウェイ同定問題を構成し,極小モデル生成器によって解を求めたところ,9つの極小活性パスウェイを同定し,その中の一つが生物学において認められている解糖系パスウェイ(参照パスウェイ)と一致していることを確認した.これらの成果は2つの国際会議(査読付き)で発表を行った.今後は,課題(B)の研究に取り組みつつ,得られた結果について生物学分野の研究者と議論を行い,生物学的知識発見のための手法開発を目指す.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A SAT-based Method for Solving the Two-dimensional Strip Packing Problem2010

    • 著者名/発表者名
      Takehide Soh, Katsumi Inoue, Naoyuki Tamura, Mutsunori Banbara, Hidetomo Nabeshima.
    • 雑誌名

      Fundamenta Informaticae

      巻: 102(3-4) ページ: 467-487

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identifying Necessary Reactions in Metabolic Pathways by Minimal Model Generation2010

    • 著者名/発表者名
      Takehide Soh, Katsumi Inoue
    • 雑誌名

      Proceedings of the 19th European Conference on Artificial Intelligence (ECAI 2010)

      ページ: 277-282

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Finding Minimal Reaction Sets in Large Metabolic Pathways2010

    • 著者名/発表者名
      Takehide Soh, Katsumi Inoue
    • 雑誌名

      Proceedings of the Workshop on Constraint Based Methods for Bioinformatics (WCB 2010)

      ページ: 54-68

    • 査読あり
  • [学会発表] モデル生成を用いた代謝ネットワークにおける極小部分パスウェイの同定2010

    • 著者名/発表者名
      宋剛秀, 井上克巳
    • 学会等名
      人工知能学会全国大会
    • 発表場所
      長崎ブリックホール
    • 年月日
      2010-06-09

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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