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2012 年度 実績報告書

Bi原子スケール薄膜の第一原理計算による機能設計

研究課題

研究課題/領域番号 10J02329
研究機関金沢大学

研究代表者

小鷹 浩毅  金沢大学, 特別研究員(DC1)

キーワードビスマス / 第一原理計算 / 表面状態 / 異方的Rashba効果
研究概要

Bi 1-バイレイヤー薄膜のスピン構造について研究成果をまとめた論文を執筆し、応用物理学会(JJAP)にて投稿した。(表題:Rashba Effect on the structure of the Bi One-Bilayer Film:Fully Relativistic First-Principles Calculation, Jpn.J.Appl.Phys.52(2013)035204-035209)
逆格子空間でのスピン分極を解析するプログラムの改良・mpi並列化を行った。等高線探索アルゴリズムを改良した他、原子局在、軌道局在を調べることが可能になった。mpi並列化により、以前より大規模な系の計算が可能になった。
作成したプログラムを用いて、Bi(001)多層薄膜の異方的なRashba効果のスピン分極の詳細を計算した。計算結果は、面内のRashba型スピン渦構造の方向、周期性を持つスピン面直成分の傾向について、スピン・角度分解光電子分光実験の先行研究のものと一致した。さらに、本研究では実験では明らかにされてないFermi面全体のスピン構造を明らかにした。加えて、Fermi面の電子状態の表面局在の割合と、積層による電子構造の変化を調べた。Bi(001)多層薄膜では多くの電子状態が表面1バイレイヤーに局在するが、その局在度がFermi面の各ポケットで異なることを明らかにした。これらの成果について、国内、国際学会で発表した。
また、今年度は採用最終年度に加えて、博士課程最終年度である。これまでの研究成果をまとめた学位論文の執筆を行った。年度後半は、学位論文の執筆に多くの時間を割いたが、これまでの研究成果を振り返ることが出来、研究内容についての理解がより深まった点で有意義であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究成果の論文投稿も受理され、学位の取得も出来た。また、解析プログラムも予定していたように作ることが出来た。これらの点は上手く進展したと思う。最終年度の研究成果についての論文投稿がまだな点については、若干残念である。

今後の研究の推進方策

解析プログラムに実装していない部分を付け足したい。また、Bi(001)多層薄膜の異方的なRashba効果についての論文投稿を行いたいと考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Rashba Effect on the Structure of the Bi One-Bilayer Film : Fully Relativistic First-Principles Calculation2013

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Kotaka, Fumiyuki Ishii, and Mineo Saito
    • 雑誌名

      Jpn. J. Appl. Phys

      巻: 52 ページ: 035204-035209

    • DOI

      10.7567/JJAP.52.035204

    • 査読あり
  • [学会発表] Bi多層膜におけるフェルミ面とスピン構造の第一原理計算 : 膜厚依存性2013

    • 著者名/発表者名
      小鷹浩毅、石井史之、斎藤峯雄
    • 学会等名
      日本物理学会第68回年次大会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2013-03-26
  • [学会発表] Spin-orbit interaction in multi-layer Bi (001) films2012

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Kotaka, Fumiyuki Ishii, and Mineo Saito
    • 学会等名
      International Symposium on Computics : Quantum Simulation ad Design
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2012-10-12
  • [学会発表] 反転対称性の破れたBi多層薄膜の第一原理計算2012

    • 著者名/発表者名
      小鷹浩毅、石井史之、斎藤峯雄
    • 学会等名
      日本物理学会平成24年度秋季大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2012-09-18
  • [学会発表] Theoretical study of spin texture in the Bi thin film2012

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Kotaka, Fumiyuki Ishii, and Mineo Saito
    • 学会等名
      International Conference Magnetics 2012
    • 発表場所
      Busan, Korea
    • 年月日
      2012-07-12

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公開日: 2014-07-16  

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