研究概要 |
[プラズマ表面処理による色素増感太陽電池変案効率向上]空気中バリア放電のTiO_2電極表面処理により、DSCの変換効率を向上させた。プラズマ処理を10分間行ったDSCは、未処理の物と比較し変換効率が約10%向上した。バリア放電TiO_2表面処理は、高変換効率プラスチックDSCを低コストで大量生産するための有効な手段となりうることが分かった。変換効率向上の要因を解明すべく、表面組成、表面形状、親水性、吸光度、吸着色素量、比表面積の計測を行った。プラズマ処理されたDSCはプラズマ未処理の物と比較し表面組成の変化(表面酸素欠乏の減少)、吸着色素量、比表面積の増加がみられた。これらの要因により、DSC短絡電流が向上し変換効率が向上したものと考えられる。 [レーザー計測を用いたプラズマの機構解明] プラズマ表面処理の際に重要となる、プラズマ中の活性種(ラジカル)計測を行った。本研究室ではこれまでにOH,O,NO,N_2(A)等のラジカル計測を行っており、今回新たに大気圧窒素中で寿命が長いN原子に注目した。大気圧パルスコロナ放電により非熱平衡プラズマを発生させ、プラズマ中に存在する窒素原子活性種(以下N)を2光子吸収レーザー誘起蛍光法(TALIF)を用い観測を行った。計測結果から、N原子の生成機構、生成量を解明した。またN_2/NO混合ガス中における、N原子とNO分子の時間変化を同条件下で計測することで、NOの分解反応の主要因がN原子との反応によるものであることを定量的に証明した。
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