• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

発癌モデルマウスを用いたAIDによる炎症性発癌メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 10J02494
研究機関京都大学

研究代表者

高井 淳  京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(PD)

キーワードAID / IL-10-/-マウス
研究概要

20週齢以降のIL-10-/-マウスの大腸について病理組織学的に検討したところ、野生型マウスに比較し、強い炎症性変化を認めた。この慢性炎症は特に盲腸において顕著な傾向にあった。また、各種炎症性サイトカインの発現について定量RT-PCRにて検討したところ、TNF-alpha, IL-1beta, IL-6などの各種炎症性サイトカインや、IL-12, IFN-gammaなどのTh1サイトカインの発現上昇を認めた。また、IL-10-/-マウスの大腸におけるAIDの発現について検討したところ、定量RT-PCRにて、IL-10-/-マウスの大腸では野生型マウスに比較し、有意なAID発現の上昇が認められた。さらに、AID特異的なプローブを用いたin situ hybridizationにより、上皮細胞に異所性にAIDが発現していることが分かった。以上の結果より、IL-10-/-マウス大腸では、慢性的な炎症刺激に伴いAIDが上皮細胞に異所性に発現している可能性が示唆された。
肝細胞や胃粘膜上皮細胞では、AIDはNF-kappaB依存性に発現していることを以前我々は明らかにしている。IL-10-/-マウスの大腸上皮におけるAIDの発現メカニズムを調べるため、約40週齢のIL-10-/-マウスに対しTNF-alpha receptor抗体の投与実験を行った。その結果、TNF-alphaをはじめとする各種炎症性サイトカインの発現は減少し、大腸上皮におけるNF-kappaB活性は低下した。さらに、TNF-alpha receptor抗体を投与したマウスでは、大腸上皮におけるAIDの発現量の有意な減少も認められた。以上の結果は、IL-10-/-マウスにおける慢性腸炎に伴うAID発現が、TNF-alphaなどの刺激によるNF-kappaB活性化経路に依存している可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Deficiency of activation-induced cytidine deaminase prevents colits-associated colon cancer development2010

    • 著者名/発表者名
      高井淳
    • 学会等名
      第69回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      大阪市、大阪国際会議場
    • 年月日
      2010-09-22

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi