研究課題/領域番号 |
10J02506
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松井 勇人 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | AdF35ベクター / ターゲティング / ファージ表面提示法 / ランダムペプチド / ファージライブラリ |
研究概要 |
ファイバー領域を35型アデノウイルス(Ad)由来のものに置換したAdF35ベクターは、ほぼ全ての細胞に発現しているCD46を認識し感染するため広い感染域を持つとともに、一方で肝蔵への集積も極めて低いことから、標的細胞指向性を有したターゲティングAdベクター開発に向けた基盤ベクターとして有望である。一方で、ターゲティングAdベクター開発に向けては、標的組織にのみ高い親和性を有する新たな機能性ペプチドを同定し、ファイバー改変AdF35ベクターに搭載させる必要がある。そこで、研究代表者らはファージ表面提示法による機能性ペプチドのスクリーニング手法を改良し、ランダムペプチドを挿入した35型Adファイバーノブ全体をファージ表面に提示させたライブラリ系を用いることとした。昨年度までに、ランダムな配列を有する合成オリゴヌクレオチドを用いて作製したPCR断片を、35型Adファイバーノブ領域をコードしたファージミドベクターに遺伝子工学的に挿入した。これにより、35型Adファイバーノブに多様なペプチド配列を有したライブラリを作製することに成功した。本年度は、作製したファージミドベクターを大腸菌で増幅し、ファージライブラリを得た。今後は、本ファージライブラリを標的分子に作用させ、濃縮されたファージのゲノムシークエンスを解析することで、提示ペプチドのアミノ酸配列の同定を試みる。本手法で同定したペプチドを35型Adファイバーノブに組み込んでも立体構造の変化が起こることなく、標的細胞特異的に遺伝子導入可能なターゲティングAdベクターを構築できるものと期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ファージライブラリを作製し、標的分子に作用させ、結合ファージの溶出を試みたが、標的分子に親和性を有するファージは未だに濃縮されていない。作製したファージライブラリのライブラリサイズが小さいため、再度ファージライブラリを作製する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
ファージミドベクターを大腸菌(TG-1)で増幅し、ファージライブラリを再度作製する。作製したファージライブラリをEpidermal Growth Factor(EGF)受容体やVascular Endothelial Growth Factor(VEGF)受容体を固層化したプレートに作用させ、ELISAによるパンニングを数回行う。濃縮されたファージのゲノムシークエンスを解析し、提示ペプチドのアミノ酸配列を同定する。同定したアミノ酸配列を35型Adファイバーノブ領域のHI loopに挿入することにより、ファイバー改変AdF35ベクターを作製する。
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