研究課題
近年、津波や洪水、海面上昇などの災害の被害予測や、都市拡大による自然環境や社会・経済への影響評価において、都市域観測の高分解能化の必要性の高まりが指摘されている。これらの背景を鑑み、本研究では地球観測衛星データを用いて全球の都市域を対象とした世界最高水準の分解能と精度を有する都市域マップを作成し、全球を対象に品質評価をおこない、地球環境観測に関する国際的な取り組みに貢献する形態で公開することを目指す。今年度の研究実施による成果は以下の通りである。(1)世界最高水準の分解能となる空間分解能15mの全球都市域マップをASTER衛星画像データと既存の都市域マップを複合的に用いて全自動で作成する手法のを開発した。(2)全世界の都市(人口10万人以上)について、人口集中地の地名辞典であるGRUMP Settlment Pointsに収録される3532地点についてASTER衛星画像データを用いて目視判読を実施し、全球の都市の検証に特化した全球都市域グラウンド・トゥルースデータベースを作成した。(3)産業技術総合研究所の地球観測グリッド(GEO Grid)を基盤として、開発した都市域マップ作成アルゴリズムを主軸とした全球都市域マッピングシステムを構築し、人口10万人以上都市のうち3372箇所に適用し、当該の都市について都市域マップを試作した。(4)それらの研究成果を国内外の学術会議のほか、GEO(Groups on Earth Observation;地球観測に関する政府間会合)のタスクリーダー会合とGEOの閣僚級会議にて報告し、全球地球観測システムの実現への貢献として高い評価を得た。
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Proceedings of AGILE 2010
巻: 13(掲載確定)
International Archives of the Photogrammetry, Remote Sensing and Spatial Information Science
巻: 38 ページ: 847-852
地理情報システム学会 研究発表大会 講演論文集
巻: 19(掲載確定)
Proceedings of ACRS 2010
巻: 31(掲載確定)