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2011 年度 実績報告書

オオムギ条性決定遺伝子の特異的機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10J02671
研究機関千葉大学

研究代表者

佐久間 俊  千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードbarley / Vrs1 / HvHox2 / gene duplication / six-rowed spike / two-rowed spike / transcription factor / Hordeum
研究概要

<Vrs1遺伝子とHvHox2遺伝子の機能分化>
Vrs1とHvHox2の機能分化について詳しく知るため、発現部位、発現量の比較を行なった。リアルタイムPCR法を用いてVrs1とHvHox2の絶対定量を行なったところ、Vrs1は穂の初期発達段階でHrHox2より有意に高い発現量を示した。特に雌蕊が分化するwhite anthers tageでは20倍以上の差があった。花器官の分化が完了した後ではVes1とHvHox2の発現量に有意な差は見られなかった。次に、発現の局在性を調べるためにin situ hybridizationを行なった。Vrs1は3つの小穂原基が形成されるtriple-mound stage(約1mm長の幼穂)で側列小穂の原基細胞に局在していた。穂の発達が進んだwhite anther stageでも側列小穂に特異的なシグナルが観察された。特に強いシグナルが外頴、内頴、雌蕊で検出された。一方、HvHox2は全ての器官で発現していた。特にWhite anther stageの幼穂では側列小穂と穂軸を結ぶ小花柄の維管束で強いシグナルが検出された。イネHvHox2オーソログのノックアウト形質転換体は幼苗致死あるいは強い不稔性を示した。発現パターンと構造の類似性からHvHox2はあらゆる器官(特に花器官)の発達に必須の遺伝子であることが示唆された。
<VRS1の細胞内局在>
VRSタンパク質に特異的な抗体を作成し、免疫染色を行なった。二条オオムギではmRNAの局在と同様に側列小穂でシグナルが観察され、核に局在するタンパク質であることが明らかとなった。Vrs1遺伝子を欠損した六条変異体ではシグナルが検出されず抗体の特異性が確認された。今後、Vrs1の転写因子としての機能を明らかにする必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

得られたデータをまとめ論文を作成し、投稿中である。

今後の研究の推進方策

Vrs1遺伝子が制御する下流遺伝子の同定に向けてマイクロアレイ解析、ChIP-seq解析などを行なう。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] An ATP-binding cassette subfamily G full transporter is essential for the retention of leaf water in both wild barley and rice2011

    • 著者名/発表者名
      Chen, G., Komatsuda, T., Ma, J.F., Nawrath, C., Pourkheirandish, M., Tagiri, A., Hu, Y.G., Sameri, M., Li, X., Zhao, X., Liu, Y., Li, C., Ma, X., Wang, A., Nair, S., Wang, N., Miyao, A., Sakuma, S., Yamaji, N., Zheng, X., Nevo, E.
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America

      巻: 108 ページ: 12354-12359

    • DOI

      10.1073/pnas.1108444108

    • 査読あり
  • [学会発表] 重複遺伝子の空間的、量的な発現機能分化によるオオムギ条性遺伝子の成立2011

    • 著者名/発表者名
      佐久間俊、小松田隆夫
    • 学会等名
      第6回ムギ類研究会
    • 発表場所
      横浜市立大学
    • 年月日
      2011-11-25
  • [学会発表] The role of gene duplication in the domestication of barley2011

    • 著者名/発表者名
      Takao Komatsuda, Shun Sakuma, Shunzong Nine, Ning Wang, Mohammad Pourkheirandish, Takashi Matsumoto
    • 学会等名
      21^<st> CIMMYT
    • 発表場所
      CIMMYT, Mexico
    • 年月日
      2011-09-05
  • [備考]

    • URL

      http://www.h.chiba-u.jp/iden/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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