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2010 年度 実績報告書

児童期・青年期における表出的・非表出的向社会的行動の生起プロセスと発達的変化

研究課題

研究課題/領域番号 10J02820
研究機関大阪大学

研究代表者

山村 麻予  大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード向社会的行動 / 児童期 / 幼児期 / 発達心理学 / 共感性 / 教育心理学
研究概要

本年度の研究目的は、向社会的行動の表出・非表出に関するメカニズムを検討することであった。先行研究の多くは、目に見える具体的な援助や分与行動に焦点を当てているが、本研究では顕在化しないが思いやりに基づく行動(待つ、見ている)なども向社会的行動として取り上げることとした。
1.調査実施協力を得た学校との議論の上、研究2として計画した「社会的葛藤場面での向社会的行動の援助内容における発達的変容」の一部を実施した。
目的 場面の性質によって、向社会的行動の内容に関する認知が、どのような影響を受けるのかを検討する。
方法 対象は公立小学校4年生・6年生185名とし、質問紙調査を行った。
結果 「公平性」「自立性」の場面については、学年差は見られなかったが、「責任性」の場面(誰にも見つからないような場所で友だちが泣いている)では、「非表出的行動」を選択する人数が、6年生で「一番いい」と評価する人数が有意に多かった。以上より、向社会的行動の評価には、場面性質や対象者の発達がかかわっていると考えられる。これまで焦点があてられてこなかった「非表出的行動」の重要性認知にも関連して重要な知見である。
さらに、選択理由について検討したところ、共感的側面を重要視する日本特有の文化の表れがみられた。
2.向社会的行動研究に関して、知見を得るため、学会に積極的に参加し、自らの研究内容の発表や、他の研究者との議論を行った。その結果、外面に顕在化しないが、思いやりに基づく行動について、まだ研究知見は乏しいと思われ、本研究の独自性が確認された。
3.向社会的行動に深く関連していることが指摘されている共感性について、詳細に検討するために実施した研究を論文化し、認知機能の総称である実行機能と感情理解、共感性の関連を明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 具体的援助がない行動を児童はどのように評価しているのか~非表出的向社会的行動への評価における学年差の検討2011

    • 著者名/発表者名
      山村麻予
    • 雑誌名

      日本発達心理学会第22回大会発表論文集

      巻: 22 ページ: 453

  • [雑誌論文] 幼児期における実行機能と感情理解課題の関連性2011

    • 著者名/発表者名
      山村麻予
    • 雑誌名

      大阪大学人間科学部教育学系年報

      巻: 16 ページ: 59-72

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 児童期における向社会的行動の表出・非表出に関する認知~情緒的共感・認知的共感との関連から~2010

    • 著者名/発表者名
      山村麻予
    • 雑誌名

      日本教育心理学会第52回総会発表論文集

      巻: 52 ページ: 381

  • [学会発表] 具体的援助がない行動を児童はどのように評価しているのか~非表出的向社会的行動への評価における学年差の検討2011

    • 著者名/発表者名
      山村麻予
    • 学会等名
      第22回日本発達心理学会大会
    • 発表場所
      東京学芸大学(東京)(大会成立とみなすが、参集なし)
    • 年月日
      2011-03-26
  • [学会発表] The development of the perception of "overt" and "covert" prosocial behavior in Japanese children2010

    • 著者名/発表者名
      Asayo Yamamura
    • 学会等名
      27th International Congress of Applied Psychology
    • 発表場所
      Melbourne convention & exhibition center(オーストラリア)
    • 年月日
      20100711-20100716
  • [学会発表] 児童期における向社会的行動の表出・非表出に関する認知~情緒的共感・認知的共感との関連から~2010

    • 著者名/発表者名
      山村麻予
    • 学会等名
      日本教育心理学会第52回総会
    • 発表場所
      早稲田大学(東京)
    • 年月日
      2010-08-27

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公開日: 2012-07-19  

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