1Fkbp38コンディショナルノックアウトマウスの作製 発生工学技術を用いてFkbp38コンディショナルノックアウトマウスの作製に成功した。現在は、このマウスとCre recombinaseトランスジェニックマウスとの交配を行うことでFKBP38の臓器特異的不活化マウス、時期特異的不活化マウスを作製している。 2Fkbp38トランスジェニックマウスを用いたFKBP38結合タンパク質の同定 Histidine-FLAGタグを付加したFKBP38をPrion-promoterを用いてマウス脳に発現するトランスジェニックマウスを作製し、Histidineタグ、FLAGタグの二段階精製を用いてFKBP38の結合タンパク質を質量分析計によるプロテオミクス解析法によって解析を行った。その結果、新規結合タンパク質としてANKMY2(ZMYND20)を同定することに成功した。ANKMY2(ZMYND20)はN末端にAnkyrin repeat domainをC末端にZinc finger MYND domainを持つがほとんど機能が分かっていない分子である。最新の知見ではC.elegansにおいてciliaへのタンパク質輸送を担うことが明らかとなった。Ciliaは神経管閉鎖時にSonic hedgehogシグナル伝達にとって重要な場であることが分かっているため、FKBP38との関係が示唆された。そこでANKMY2(ZMYND20)に対する抗体を作製し、マウス組織間の発現を比較した結果、ANKMY2は中枢神経系で発現が高いことを明らかにした。さらに結合を確認するために、マウス脳のライセートにおいてFKBP38抗体を用いた免疫沈降を行ったところ、ANKMY2(ZMYND20)が共沈降したことから、両者は神経組織で生理的に結合していることが明らかになった。
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