• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

日宋・日元貿易の展開と鎌倉幕府の貿易方針

研究課題

研究課題/領域番号 10J02884
研究機関大阪大学

研究代表者

中村 翼  大阪大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード日宋貿易 / 日元貿易 / 入宋僧 / 鎌倉幕府 / 禅律仏教 / 博多綱首
研究概要

日宋交流は、人・モノ・情報の移動が貿易商人(海商)の活動に付随して行われた点に特徴があり、なかでも鎌倉期は、日本と南宋(元)の間で仏僧の往来が極めて活発な時代といえる。本研究では、鎌倉期の日宋(元)交流を貿易と文化交流に大別して捉え、後者はとくに仏教交流を中心に検討する。
2010年度は、日宋貿易に関する論点を論文として発表した。それは、鎌倉幕府の貿易独占化政策の存在を想定し、13世紀後半以降の貿易の展開を幕府ないし北条氏による独占化の過程とみなす通説に対し、日宋間を往来した僧に関する史料を用いながら日宋貿易の展開過程を解明するなかで、再検討を迫るものである。まず、「鎌倉幕府の「唐船」関係法令の検討」(『鎌倉遺文研究』25)では、通説の根拠史料であった「唐船」に関する2つの幕府法は、幕府の独占化志向を必ずしも表すものではないこと、また両史料を基軸に貿易の展開を描くべきではないことを示した。それをうけて、「鎌倉中期における日宋貿易の展開と幕府」(『史学雑誌』119-10)においては、13世紀後半以降に幕府が貿易に対して積極的になる背景について、1246年、1247年に起こった鎌倉での政変に伴う宗教政策の転換によるものであった可能性が高く、貿易を主眼においた方針転換ではないこと、また幕府の影響力増大についても、幕府の強権性よりも博多で活動していた海商側が幕府を選び取った側面を強調すべきことを主張した。
また仏教交流に関する論点として、1250年代における幕府の宗教政策の転換について鎌倉禅の成立を中心に検討を進めているが、その成果の発表は今後の課題である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 鎌倉幕府の「唐船」関係法令の検討2010

    • 著者名/発表者名
      中村翼
    • 雑誌名

      鎌倉遺文研究

      巻: 25 ページ: 71-94

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 鎌倉中期における日宋貿易の展開と幕府2010

    • 著者名/発表者名
      中村翼
    • 雑誌名

      史学雑誌

      巻: 119-10 ページ: 39-63

    • 査読あり
  • [学会発表] 日宋文化交流の展開と鎌倉幕府の宗教政策2010

    • 著者名/発表者名
      中村翼
    • 学会等名
      歴史学研究会中世史部会10月例会
    • 発表場所
      早稲田大学戸山キャンパス31号館302教室
    • 年月日
      2010-10-02

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi