研究課題/領域番号 |
10J02958
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
坂崎 貴俊 北海道大学, 大学院・環境科学院, 特別研究員(DC1)
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キーワード | 国際情報交換 / 日変動 / 大気潮汐 / 衛星データ / 全球再解析データ / 国際宇宙ステーション / SMILES / オゾン |
研究概要 |
昨年度に引き続き、NCARのMaura Hagan氏、コロラド大学のXiaoli Zhang氏、Jeffrey Forbes氏と共同で「TIMED/SABER衛星データおよび全球再解析データを用いた大気潮汐の研究」を行った。衛星データおよび再解析データを統合的に解析することにより、成層圏における一日潮汐波の描像(水平・鉛直構造および季節変化)を明らかにした。続いてその力学プロセスを調べるため数値実験を行った。その結果、第0近似では古典潮汐論で説明できるものの、背景流の影響も無視できない(第一次近似)ことがわかった。これらの成果について国際学会(×1)、国内学会(×2)で発表を行った。これらの成果を二編の論文にまとめ、Journal of Geophysical Research誌に投稿した(現在改訂作業中)。 これらの結果をもとに、MU radarによる上部対流圏-下部成層圏の風の日変動の解析結果(Sakazaki et al.,2010)について再解釈をおこない、季節変化のメカニズムを明らかにした。結果について、国際学会で発表を行った。 さらに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)による成層圏大気微量成分測定衛星、超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(SMILES:Superconducting Submillimeter-Wave Limb Emission Sounder;国際宇宙ステーションの日本実験棟曝露部搭載)のプロジェクトに関わり、2009年10月-2010年4月の半年間にわたって観測されたオゾンの日変動の解析的研究を行った(京都大学塩谷雅人教授らとの共同研究)。その結果、成層圏におけるオゾン日変動の全球的描像を世界で初めて明らかにし、その支配プロセスには力学(大気潮汐)・光化学の両者が寄与していることを示した。これらの成果について、国際学会(×1)、国内学会(×1)で発表を行った。現在投稿論文を準備中である。 KAN TO project(重力波パラメタリゼーションを用いない超高解像度モデルによる数値シミュレーション)の結果の解析を始めた(東京大学佐藤薫教授らとの共同研究)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大気潮汐について予定通り2編の投稿論文にまとめている。また、引き続いてSMILESデータの解析を行い、オゾン日変化の描像を明らかにした。現在論文を執筆中である。上記のように、当初の予定である「中間規模波の解析」はやや遅れているものの、オゾン日変化の研究については当初の計画以上に進展があり、したがって全体として「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
大気潮汐の投稿論文2編については、適切に改訂を行う。オゾン日変化の研究については、他のデータセットを用いた追加解析を行った上で論文を投稿する。
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