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2012 年度 実績報告書

MAPKとMediator Complexによる協調的ストレス応答制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 10J03280
研究機関名古屋大学

研究代表者

服部 鮎奈  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードMAPK / 線虫JNK経路 / 重金属ストレス応答 / KGB-1 / FOS-1 / リン酸化
研究概要

線虫C.elegansにおいてMLK-1(MAPKKK)、MEK-1(MAPKK)、KGB-1(MAPK)経路は重金属ストレス応答と幼虫発生に機能している。これまでにFOS-1がKGB-1経路下流で機能することが示唆されて来た。しかし、重金属ストレス応答においてFOS-1の下流で機能する因子は明らかになっていなかった。そこで、DNAマイクロアレイを用いて、KGB-1経路により発現が制御される因子を探索した。その結果、KGB-1依存的に重金属ストレスによって発現が誘導される遺伝子kreg-1^~3(KGB-1-regulated gene)を同定した。fos-1機能阻害によってkreg-1^~3の発現が上昇することから、FOS-1はkreg-1^~3遺伝子発現においてリプレッサーとして機能していると考えられる。また、kreg-1^~3を機能阻害した個体は、重金属感受性を示した。さらに、HDACの線虫ホモログのひとつであるHDA-1がFOS-1とkreg-1プロモーター上で結合することを見出した。また、hda-1機能阻害はkreg-1遺伝子の発現を促進させ、kgb-1変異体の示す重金属感受性を抑圧することを明らかにした。これらの結果から、以下のモデルを提唱している;ストレスが存在しない状態では、FOS-1とHDA-1は重金属ストレス耐性遺伝子の発現を協調的に抑制している。一方、ストレス存在下では、活性化したKGB-1がFOS-1をリン酸化する。リン酸化されたFOS-1はホモダイマー形成を阻害されるため、HDA-1を標的遺伝子のプロモーター部位にリクルートできなくなる。その結果、ストレス耐性遺伝子の発現が誘導される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The C. elegans JNK signaling pathway activates expression of stress response genes by derepressing the Fos/HDAC repressor complex2013

    • 著者名/発表者名
      Ayuna Hattori
    • 雑誌名

      PLOS Genetics

      巻: 9 ページ: e1003315

    • DOI

      10.1371/journal.pgen.1003315

    • 査読あり
  • [学会発表] 重金属ストレス応答において線虫JNKは転写因子Fosを負に制御する2012

    • 著者名/発表者名
      服部鮎奈
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      マリンメッセ福岡(福岡)
    • 年月日
      2012-12-14
  • [備考]

    • URL

      http://bunshi3.bio.nagoya-u.ac.jp/~bunshi6/matsumoto_new/member.html

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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