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2010 年度 実績報告書

氷点下温度域におけるクラスレート水和物-相平衡条件測定と結晶構造解析-

研究課題

研究課題/領域番号 10J03623
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

安田 啓太  慶應義塾大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードクラスレート水和物 / ハイドレート / 気候変動調査 / アルコール / 国際研究者交流
研究概要

氷点下温度域におけるクラスレート水和物(Clathrate Hydrates、ハイドレート)の特性解明に向け、窒素ハイドレート生成系の相平衡温度圧力条件の測定およびアルコール類をゲストとするハイドレート中でのアルコール分子の挙動の分光的手法による解明を行った。
南極およびグリーンランドには積年降り積もった雪によって構成される氷の層である氷床が存在する。氷床中には雪が降り積もった当時の大気が内包されていて、その解析により過去の気候変動の調査を行うことができる。氷床の深い領域では高圧力と低温度によって空気をゲストとするクラスレート水和物が形成されていて、気候変動の調査にとってこのクラスレート水和物の物性・特性の把握が必要である。今年度は空気の主要成分である窒素をゲストとする窒素ハイドレートの生成分解条件である相平衡条件を測定した。
アルコールのように親水性の高い物質は水の活量を低下させることによってクラスレート水和物の生成条件である相平衡条件を低温・高圧化させることが知られている。天然ガスパイプラインなどのクラスレート水和物生成が好ましくない環境においてはこのような物質が熱力学的な阻害剤として広く用いられてきた。近年、その内エタノールやプロパノールは天然ガスの主成分であるメタンとクラスレート水和物を形成することが明らかにされた。このことは熱力学的条件とクラスレート水和物生成のカイネティクスの双方に影響を与えることが予測される。そこで本年度、Raman分光測定によるクラスレート水和物内部でのアルコール分子の挙動を明らかにするための測定を行った。結果、アルコールがゲストであることが確認され、アルコール分子がクラスレート水和物中で気体状の振る舞いをしていることが明らかになった。

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公開日: 2012-07-19  

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