研究課題
集積回路に見られるような微細構造は現在トップダウン手法によつて作製されており、今後はデバイスの小型化・高密度化の観点からボトムアップ手法の採用が不可欠となる。このような観点から、トップダウン手法とボトムアップ手法の融合により、サブミクロンスケールの制限空間等を利用した配向性ナノ複合体薄膜の作製および偏光素子等デバイスへの応用展開を目指して研究を推進した。最終年度である本年度では、サブミクロンスケールでの複合化と配向制御の両立を目指して、昨年度までの研究を踏まえ、最終目標を達成すべく研究を推進した。昨年度達成した配向性メソポーラス薄膜の作製方法を適用し、研究目標の一つである配向性メソポーラスシリカーチタニア複合体薄膜を達成した。作製された薄膜はマイクロスケールの周期性に基づく光学特性を示し、有機溶媒の光学的な検出などに利用可能と考えられる。昨年度より引き続き行った電解析出法によるメソ多孔体薄膜中への金ナノ構造体の作製では、隣接するメソ孔の連結性が金の析出挙動を支配していることを明らかにした。3次元キュービック構造をなす球状メソ孔は比較的大きなウインドウを介して連結しており、このウインドウを含む析出経路は金ナノ構造体の成長を可能にしている。今年度新たに提案したメソポーラスシリカ薄膜を利用した銅ナノパターンの作製は、薄膜中のメソ孔を配向制御することにより任意のパターン形成が可能と考えられ、ナノパダーン形成の新たな手法として期待できる。
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Journal of Physical Chemistry C
巻: 116 ページ: 24672-24680
10.1021/jp308772b
bulletin of the Chemical Society of Japan
巻: (accepted on 31th, Jan, 2013)
10.1246/bcsj.20120358