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2010 年度 実績報告書

クロム添加銅粉末を用いたCu-CNT焼結複合材料の界面制御性と熱機械的特性

研究課題

研究課題/領域番号 10J04340
研究機関東北大学

研究代表者

[チョ] 承贊  東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)

キーワードカーボンナノチューブ / 表面欠陥 / CuCr / 表面処理 / ナノ炭化物 / 界面制御
研究概要

本研究ではCuマトリックスとCNTの界面結合性を改善するため、炭化物形成元素であるCrを過飽和に固溶させたCuCr合金粉末を作製し、CNTとの複合化を試みた。また、界面組織を詳しく観察した結果、以下の内容が明らかになった。
CuCr粉末を用いてCuCr/CNT複合材料を作製することにより、CuCr/CNT界面に島状のCr炭化物を形成させることができた。CuCr/CNT複合材料において、形成したCr炭化物はエピタキシャル的に、欠陥部から外側に向かって成長することがわかった。また、形成したCr炭化物の結晶構造は主にCr_7C_3であるということがわかった。これはCr_7C_3がCr_3C_2よりGibbs自由エネルギーが低く、形成しやすいためであると考えられる。また、SPS焼結法を用いて1263K焼結を行った場合、Cr炭化物の形成反応は10分以内で終わると考えられる。島状のCr炭化物をCNTとCuマトリックスの界面に生成させることに成功することによって、Cu/CNT複合材料の放熱特性を保ったまま、界面結合性を改善することができたと考えられる。炭化物を生成しない金属に炭化物生成金属を微量添加し、CNTと複合化させ界面を制御した研究例はまだ報告なされていない。本研究で作製したCuCr/CNT複合材料では、大きな熱伝導率の減少は見られず、熱膨張係数は低下した。従って、CrをCuに微量添加し、Crが熱伝導率に及ぼす影響は少なくした上で、界面結合性を改善できたと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Multiwalled carbon nanotubes as a contributing reinforcement phase for the improvement of thermal conductivity in copper matrix composites2010

    • 著者名/発表者名
      Seungchan Cho, Keiko Kikuchi, Takamichi Miyazaki, Kenta Takagi, Akira Kawasaki, Takayuki Tsukada
    • 雑誌名

      Scripta Materialia

      巻: 63 ページ: 375-378

    • 査読あり
  • [学会発表] 銅/カーボンナノチューブ焼結複合材料における界面性状と熱伝導率2010

    • 著者名/発表者名
      曹承贊
    • 学会等名
      H22粉体粉末冶金協会秋季大会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2010-11-11

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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